@misc{oai:repo.qst.go.jp:00067410, author = {府馬, 正一 and 石井, 伸昌 and 田中, 伸幸 and 武田, 洋 and 宮本, 霧子 and 柳澤, 啓 and 齊藤, 眞弘 and 一政, 祐輔 and 府馬 正一 and 石井 伸昌 and 田中 伸幸 and 武田 洋 and 宮本 霧子 and 柳澤 啓 and 齊藤 眞弘 and 一政 祐輔}, month = {Jul}, note = {1.はじめに 近年、放射線と化学物質の生態系影響を比較評価する必要性が指摘されている。化学物質の生態系影響評価のために最もよく使われている方法の一つとして、ミジンコを用いたOECD試験法がある。そこで、このOECD試験法に従って,オオミジンコDaphnia magnaの遊泳に対するγ線と重金属の影響を調べ、γ線を基準とした各種重金属の影響の比較評価を試みた。 2.実験方法 OECD試験法に準拠した生態毒性試験キットDaphtoxkit F Magna (Creasel社、ベルギー)を用い、付属の説明書に従って実験を行った。まずオオミジンコの卵を孵化させ、生後17.5時間未満の幼生を集めた。放射線については、この幼生に60Coγ線を線量率53 Gy /minで1200〜2000 Gy急照射した後、ISO標準淡水で培養した。重金属については、マンガン(320〜10000 μM; 化学形はMnCl2)、ニッケル(10〜1000 μM; NiSO4)、銅(1.3〜40 μM; CuSO4)をそれぞれ含んだISO標準淡水に幼生を移し曝露を開始した。γ線照射または重金属曝露24時間後と48時間後に、遊泳が阻害された幼生の個体数を計測し、その値を供試個体数(20個体)で除して遊泳阻害率を算出した。実験は3回繰り返した。 3.結果および考察 γ線に関しては、線量とオオミジンコの遊泳阻害率の関係は右上がりのシグモイド曲線で近似できた。この関係は、ラットやサルなどの動物における線量−急性致死率の関係と類似していた。照射24時間後の50%影響線量(ED50/24h)は1600 Gyとなり、オオミジンコは放射線抵抗性を示した。 重金属に関しては、対数変換した濃度と遊泳阻害率の関係は右上がりのシグモイド曲線で近似できた。この関係は、化学物質における典型的な濃度−影響関係である。24時間曝露後の50%影響濃度(EC50/24h)は、マンガンで990 μM、ニッケルで180 μM、銅で3.3 μMとなった。 ED50/24h /EC50/24hで算出されるGy等価係数は、マンガンで1.6、ニッケルで8.9、銅で480となった。従って、γ線を基準として、これら金属のオオミジンコに対する毒性強度を比較するとマンガン<ニッケル<銅の順と考えられる。照射または曝露48時間後の結果からも、これと同一の毒性強度の順序が示唆された。また、この毒性強度の順序は、3種の微生物から構成されるモデル実験生態系(マイクロコズム)を使って以前に評価した結果(マンガン<ニッケル=銅)と同様の傾向を示したが,ニッケルと銅の順序については差異が見られた。従って,有害因子の生態毒性を比較する際には様々な生態毒性試験の結果を総合的に評価する必要性があると考えられる。, 第40回理工学における同位元素・放射線研究発表会}, title = {γ線と重金属がオオミジンコDaphnia magnaの遊泳に与える影響の比較評価}, year = {2003} }