@misc{oai:repo.qst.go.jp:00067327, author = {田上, 恵子 and 内田, 滋夫 and トワイニング, ジョン and 田上 恵子 and 内田 滋夫}, month = {Sep}, note = {【はじめに】長半減期核種Tc-99の長期的な環境挙動に関する知見を得るために、ケミカルアナログであるレニウム(Re)に着目している。Reの存在度は極めて低く、土壌、植物等の環境試料中の濃度データがほとんどない。そこで筆者らはICP-MSを用いた環境試料中の極微量Reの定量分析法を開発し、環境中での分布を明らかにしつつある。今回は実際の土壌環境中におけるReの動きやすさの指標となる水抽出画分のRe測定を試みた。 【実験方法】試料はDouglas Daly(NT, Australia)及び日本の各地で採取した表層土壌(0-20cm)である。風乾後、2mmの篩で分け、実験に供するまでは室温暗所で保存した。土壌中全Re濃度は粉砕した試料1-2gを用い、アルカリ溶融または王水による湿式分解によりReを抽出した。得られた溶液を中和して水酸化鉄等の沈殿を除去したのち、硝酸を加えて弱酸性としてからTEVAレジンカラム(Eichrom社製)に通水した。カラムを40mLの0.8M硝酸で洗浄後、5mLの8M硝酸でReを溶離した1) 。水抽出画分は土壌中の陰イオン測定法に準じて抽出した。すなわち、土壌固相と純水の比は1:5とし、1時間ごとに3分間の撹拌を手動で8回繰り返した。遠心分離ののち、上澄み中のReをTEVAレジンで分離し、定量をICP-MS(Yokogawa, HP-4500及びAgilent-7500)で行った。 Table-1. Water soluble and total Re in Australian soils. Soil typeYearnWater soluble ReTotal Re pg/gpg/g Tippera200090.78±0.5821.1±2.05 200180.70±0.2521.1±1.57 Blain200090.62±0.494.95±0.93  2001120.34±0.266.34±1.25 【結果及び考察】水で抽出される画分は土壌中を移動しやすく且つ植物に吸収されやすいReO4-が主であることが予想される。水抽出されたReの土壌への再収着の可能性についてオーストラリアで採取した土壌を用いてReO4-及びTcO4-を添加してバッチ法により検討したところ、どちらの元素も土壌に収着しないことがわかった。したがって、本実験において水で抽出した画分中のReの土壌への再収着はほとんどないと考えられる。Table-1に全量と水抽出画分のReの定量結果を示した。それぞれ採取年度による大きな差は見られず、抽出割合は全Re量に対して2-20%であった。酸化的雰囲気下ではReは容易にReO4-となり安定であるため、ほとんどが可溶性Reとなることが期待されたが、実際はかなり小さい値であった。Reの動的挙動を解明するためには降水中のRe濃度等、地表面にインプットされるReのデータが必要であり、今後収集する予定である。  発表時には日本の土壌中Re可溶性画分の測定結果についても報告する。 【引用文献】1) Tagami, K. and Uchida, S., J. Anal. Atom. Spectrom. 16, 699-701 (2001). \nMeasurement of rhenium in water-soluble fraction of soils TAGAMI, K., UCHIDA, S., TWINING, J., 第46回放射化学討論会}, title = {土壌中のレニウム可溶性画分の測定について}, year = {2002} }