@misc{oai:repo.qst.go.jp:00067141, author = {武島, 嗣英 and 中島, 菜花子 and 下川, 卓志 and 長谷川, 純崇 and 武島 嗣英 and 中島 菜花子 and 下川 卓志 and 長谷川 純崇}, month = {Feb}, note = {(はじめに)癌の放射線治療後には腫瘍を直接殺傷する癌反応性キラーT細胞(CTL)が体内に誘導され、これが放射線治療の効果に大きく寄与することが近年わかってきた。担癌マウスを用いた発表者の実験で、放射線治療(単回照射)の7日~10日後にこの癌反応性CTLが腫瘍内や所属リンパ節内に検出されることわかったが、これがどのようなメカニズムで誘導されるかの詳細は未知であった。予備実験にて、腫瘍へのX線単回照射直後(~4日後)の腫瘍内やリンパ組織に存在する他の免疫細胞集団(ヘルパーT細胞や、マクロファージや樹状細胞など)の時間変化を調べたところ、照射直後の腫瘍内に好中球(CD11b+Gr-1+細胞、RT-N)が一時的に増加する現象が見られた。本研究ではこのRT-Nの機能を調べると同時に、これを利用した新しい免疫治療法(G-CSF投与)の有効性を確認した。 (方法)C57BL/6マウスの脚部に前立腺がん癌細胞株RM-9 を1x106個皮内接種したものを担癌マウスとして用いた。放射線治療後に腫瘍内に誘導されるRT-Nの有無で腫瘍増殖に差が出るかを見る目的で、体内に好中球が存在しないマウスを作製した(X線を15 Gy照射する前日に担癌マウスの腹腔内に抗Ly-6G抗体200 ug/匹を一回投与した)。その解析のために、治療後の腫瘍内のアポトーシス癌細胞の数をTUNEL法で検出した。RT-Nが腫瘍内に誘導される要因を探るため、好中球遊走に関連する腫瘍内のサイトカイン量をマルチプレックスアッセイにて測定した後、G-CSF量が高いことを確認した。最後にG-CSFの外部投与がX線治療の効果を高めるか検討した。RT-NのROS産生能をDihydrorhodamine 123(DHR123)試薬を用いてフローサイトメーターにて測定した。 (結果)X線治療24時間後に腫瘍内にRT-Nが増加し、その後減少に転じることを確認した。このRT-Nが存在しない場合、通常に比べて腫瘍内のアポトーシス細胞が減少して腫瘍が増大した。その後の解析で、RT-Nが高産生するROSにより腫瘍内の細胞が殺傷されることがわかった。X線治療とG-CSF外部投与(3回)の併用治療を担癌マウスに行ったところ、それぞれの単独治療よりも併用治療が高い効果を示した。それは、RT-Nが活性化してさらにROSを高産生するようになったことにより、腫瘍内のアポトーシス細胞が増加したこと、そして癌特異的CTLがさらに増加したことだと結論付けた。 (結語)本研究では、X線治療後に腫瘍が縮小するメカニズムの一つとしてRT-Nが大きく関わっていることを明らかにした。これまでの研究と合わせて、腫瘍が縮小する要因、X線の物理作用、RT-Nが産生するROS、そして癌反応性CTLが放出するPerforin/Granzymeが癌細胞に直接作用して殺傷される結果であることがわかった。また、本研究でX線治療とG-CSF投与の併用という新しい併用免疫治療法の有効性も示した。, 第21回 菅原・大西記念 癌治療増感シンポジウム}, title = {放射線治療後に誘導される抗腫瘍免疫応答の解析:腫瘍内好中球の役割}, year = {2019} }