@misc{oai:repo.qst.go.jp:00067017, author = {粕谷, 吾朗 and 粕谷 吾朗}, month = {Nov}, note = {限局性前立腺癌に対する標準的な根治治療は、手術または放射線治療(外部照射または小線源治療)であり、病態に応じてホルモン治療(LH-RH agonist±抗アンドロゲン剤)が併用されています。外部照射の一つである重粒子線治療は、X線による外部照射と比較し、高い線量集中性(少ない副作用)と良好な生物学的効果(高い治療効果)を有しています。J-CROSで行われている前立腺がんに対する重粒子線治療期間は、X線による外部照射(2か月程度)より短く、3週間で終了します。また手術や小線源治療とは異なり麻酔は不要ですが、治療中の痛みや熱感はありません。  治療成績について、放射線医学総合研究所(放医研)単施設における長期成績の報告では、高リスク群に対する重粒子線治療後の前立腺がんによる死亡率は、5年間で1.5%、10年間で5%でした(1)。これらの成績は、手術と比較しても同等であることが示されています。また、J-CROSでの多施設後ろ向き試験により、5年間で再発が全く無い状態での生存率は、低リスク群で92%、中リスク群で89%、高リスク群で92%でした。また5年間の全生存率は、低リスク群で100%、中リスク群で99%、高リスク群で96%でした(2)。このように、多施設共同試験でも、重粒子線治療の良好な成績が示されました。  副作用については、前述の多施設共同試験において、5年間の重度の合併症発症率は0%(2)だったことから、本治療が十分に安全であることも示されています。  1994年から放医研で開始された前立腺がんに対する重粒子線治療は、2003年から先進医療となり314万円の費用が必要でしたが、J-CROSでの活動により2018年4月からは保険収載されることとなりました。現在、前立腺がんに対する重粒子線治療は、高い効果と安全性が期待できるだけでなく、安価で身体への負担はほとんど無い治療として、より気軽に受けられるようになりました。, 重粒子線がん治療成果報告会2018}, title = {前立腺がんに対する重粒子線治療}, year = {2018} }