@misc{oai:repo.qst.go.jp:00067015, author = {山本, 直敬 and 山本 直敬}, month = {Nov}, note = {はじめに   転移再発に対する治療の原則は全身的な化学療法ですが、肺転移では、原発巣に対する根治療法が実施されている前提での孤立性肺転移に対する外科切除は予後の改善に寄与すると考えられ、従来から多くの転移巣切除術が実施されてきた歴史があります。その結果、転移であっても局所療法が有効である病態も存在することが示されました。治療対象臓器の数、あるいは全身的な転移数など扱いは異なりますが、少数転移をオリゴ転移と呼び、転移ではあるが局所療法が全身的な予後改善に寄与する可能性が期待できる病態と考えられています(1,2)。最近の10年では定位放射線療法の登場によりその低侵襲性を生かし、良好な成果を示されています(3,4)。 これまでの実績  肺転移について山本ら(5)による2年全生存率(OS)71%、G3以上の肺有害反応なし、高橋ら(6)の大腸がん肺転移34例の報告として、2年OS65%、G3以上の発生なし、があります。肺がんの肺転移とその他の転移性肺腫瘍全体の成績あるいは、定位X線の通常線量では制御が難しい大腸がん転移ともに高い局所制御が低毒性で得られています。リンパ節転移については山本ら(7) いずれも放医研からの報告があります。 今後の研究の進め方と進捗状況   今後の研究に関しては、先進医療A全例登録のデータを用い、多施設共同研究を行うことを予定しています。また、多施設共同で過去の症例の後向き観察研究を実施しました。リンパ節転移に関しては、重粒子線治療後の2年局所制御率、全生存率、無再発生存率は、それぞれ、85%、62%、34%でした。1例でGrade 3の末梢神経障害が認められましたが、他に重篤な有害事象はみられませんでした。少数リンパ節転移(3個以下)は無再発生存率に関連しており、30 mm以下のリンパ節、少数リンパ節転移、無再発期間(原発巣の治療から再発まで12か月以上)は全生存期間に関連していました。結果を論文として投稿中です。肺転移に関しては解析がほぼ終了し、3年局所制御率 78.4%、3年生存率70.1%。G2以上の放射線肺炎の出現ありませんでした。結果は論文準備中です。肝転移はデータ集積の準備中です。 まとめ 転移性腫瘍に対しての治療は3個程度までの複数病変は良い適応となる可能性があり、治療を繰り返し行うことも想定されます。また化学療法が必要な病態であり局所療法の有害事象が化学療法の実施・継続の妨げにならないという観点からも、重症な標的臓器障害の発生頻度が低い重粒子線治療の特長が生きる治療対象と考えられます。, 重粒子線がん治療成果報告会2018}, title = {転移性腫瘍に対する重粒子線治療}, year = {2018} }