@misc{oai:repo.qst.go.jp:00067013, author = {磯崎, 由佳 and 磯崎 由佳}, month = {Nov}, note = {当院では現在、食道癌に対する治療は、I期に対する根治照射(先進医療)、II/III期(T4除く)胸部食道扁平上皮癌に対する術前FP併用重粒子線治療(臨床試験)を行っている。 I期食道癌に対する根治的照射は、T1bN0胸部食道扁平上皮癌を対象とした第I/II相試験を2008年から開始し、50.4 Gy (RBE)まで線量増加し2016年3月に試験登録を終了した。同年4月から先進医療に移行しており、現在は組織型を問わず腺癌に対しても治療可能である。現在まで治療したT1bN0食道癌38例の解析では、有害反応は早期反応として4例のGrade3の食道炎を、Grade3の血液毒性を3例に認めたが、Grade3以上の心肺合併症は認めていない。また、Grade3以上の遅発性反応は誤嚥性肺炎の1例のみで重粒子線治療が直接的に影響を及ぼしているとは考えづらかった。縮小効果は32例(84.2%)でCR、1例(2.7%)PR、5例(13.1%)でIR/SDを認め、PDは認めなかった。38例中11例に局所再発を認めたが、11例中4例に対し救済手術が、7例に対し内視鏡的救済治療が安全に施行された。全体の3年、5年全生存率はそれぞれ86%、81%であった。化学療法や外科的療法等の他治療が困難と考えられた症例が13例存在し、他因死を除いた補正生存率は3年97%、5年91%であった。本治療は化学療法を用いることなく、心肺合併症も少ないことから、高齢者や全身既往症のある患者にとって有用な治療となりうることが示された。 一方、2012年6月から、II/III期(T4除く)胸部食道扁平上皮癌に対し化学療法(シスプラチン+5-FU)を同時併用するFP併用術前重粒子線治療に関する臨床第I/II相試験が開始された。対象は手術可能なT4を除くII/III期で、重粒子線は33.6 Gy (RBE)/8回/2週間から線量増加を施行し、現在36.8 Gy (RBE)まで線量増加している。これまでに19例の治療を施行した。遅発性有害反応としてGrade 3以上の非血液毒性を4例認めたが、いずれも重粒子線照射が直接的な原因となっているとは考えづらいものだった。組織学的効果判定は半数が病理学的完全奏功を得ており他の術前治療と比べても良好な成績であった。治療を完遂した症例の観察期間中央値は17.5か月で全生存率は3年82.5%、5年82.5%と良好であった。今後も線量増加を行い、将来的にII,III期に対する根治照射の確立を目指したい。, 重粒子線がん治療成果報告会2018}, title = {食道がんに対する重粒子線治療}, year = {2018} }