@misc{oai:repo.qst.go.jp:00066810, author = {小西, 輝昭 and 小林, 亜利紗 and 大澤, 大輔 and 及川, 将一 and Autsavapromporn, Narongchai and Ahmad, Fabrizal Tengku Ahmad Tengku and Wang, Jun and 小西 輝昭 and 小林 亜利紗 and 大澤 大輔 and 及川 将一}, month = {May}, note = {マイクロビーム細胞照射装置のアドバンテージは、単一細胞レベルでの照準、照射、照射前後の細胞観察・追跡が可能なことである。SPICE-NIRSマイクロビームは、3.4MeVの陽子線を直径2μm以下に集束し、培養細胞の細胞核のみならず細胞核・質の打ち分け、そして、細胞核内複数個所への照射を毎分400細胞(箇所)の高速性で可能である。照射粒子数も陽子1個から任意に数まで設定可能である。我々は、世界トップレベルのマイクロビーム細胞照射装置を実現している。 放射線誘発細胞致死のターゲットはDNAであり、致死の主因はDNA二本鎖切断であることは、放射線生物学における揺るぎのない原理原則である。しかし、細胞質へのダメージを起因とする細胞応答は、この原則に対してどのように影響しているのかは未だ解明されていない。そこで、SPICEのアドバンテージを最大限に生かし、細胞質ダメージをトリガーとしてどのように細胞応答が誘導されるのか、また、細胞核内DNA二本鎖切断修復に対してどのような影響を及ぼしているのかについて解析をすすめている。現在までに、我々は、細胞質へのマイクロビーム照射によって、酸化ストレス応答経路の一つであるNrf2-Keap1が活性化していることを確認した。また、細胞核と質の両方にマイクロビーム照射した場合、細胞核にのみに照射した場合に比べて、DNA二本鎖切断修復が促進されるという結果を得ている。防御的細胞応答には細胞質ダメージもトリガーとして働いていると考えられた。 もう一つに、我々の取り組みには、放射線がん治療の基礎研究としたヒトがん細胞・正常細胞間における放射線誘発双方向シグナリングの研究がある。がん患部とその周辺組織をがん細胞と正常細胞が混在する培養細胞の系で模擬し、がん細胞にのみマイクロビーム照射することで、照射がん・非照射正常細胞間における細胞間情報伝達を解析し、照射細胞から非照射細胞へシグナル因子が伝播する放射線誘発バイスタンダー効果、またはその逆のレスキュー効果のメカニズム解明を目的としている。現在までに、照射がん細胞のDNA二本鎖切断の修復は、近傍の非照射正常細胞との細胞膜間情報伝達によって促進されるといったレスキュー効果と、非照射正常細胞が非照射がん細胞へのバイスタンダー効果に対しても修飾する結果を得ている。 本シンポジウムでは、SPICE-NIRS マイクロビーム開発の概要ならびに現在の取り組みについて紹介する。, 量子生命科学研究会第2回学術集会}, title = {SPICE-NIRSマイクロビームが先導する放射線生物学(Single Cell Radio-Biology)}, year = {2018} }