@misc{oai:repo.qst.go.jp:00066611, author = {佐藤, 勝也 and 佐藤 勝也}, month = {Jan}, note = {発酵産業、農業や環境保全などの様々な分野で利用されている産業微生物には、真核生物である麹菌や酵母、あるいは原核生物である放線菌や根粒菌など多様な微生物が知られている。これまでに、産業微生物の有用特性を高度化させるため、ガンマ線や薬剤などを用いた突然変異誘発等による育種が盛んに行われてきた。有用な生物資源を創成するためには、新しい変異原による効率的な突然変異誘発技術の開発が重要であると考え、イオンビームを用いた突然変異育種の研究に取り組んできた。これまでに、イオンビーム微生物育種技術を活用して、産業界、大学や地域機関等との共同研究を通じて、比較的ゲノムサイズの大きな真核微生物の品種改良への応用を試みた。その結果、醤油醸造に利用される麹菌では、タンパク質分解酵素の活性が向上した変異株、生物農薬として利用されている昆虫病原糸状菌では、殺菌剤耐性が向上した変異株、そして清酒酵母では吟醸酒特有の香り成分を高生産する吟醸用清酒酵母の創出に成功した。さらに、ゲノムサイズの小さな原核生物を対象として、イオンビーム微生物育種技術を用いた品種改良に取り組んでいる。その結果、バイオ肥料に利用されている窒素固定細菌である根粒菌では、高温環境による機能低下が問題であったが、根粒着生などの機能に影響を与えずに、高温耐性を付与した突然変異株を作出した。このように、イオンビーム微生物育種技術は、真核生物から原核生物まで様々な微生物種に展開されており、イオンビームが産業上有用な微生物の品種改良に非常に有効であることが実証されつつある。イオンビーム微生物育種技術は、パブリックアクセプタンスが困難な遺伝子組換え技術とは異なる科学技術に立脚した育種技術であるため、微生物資源の創成や新産業の創出に有用であり、新しい科学技術イノベーションとして農業、発酵産業や環境保全、また地域産業などの様々な分野の活性化に繋がるものである。, 理研シンポジウム「イオンビーム品種改良プラットフォームの形成」}, title = {産業微生物のインビーム育種}, year = {2018} }