@misc{oai:repo.qst.go.jp:00066501, author = {小林, 泰彦 and 小林 泰彦}, month = {Oct}, note = {放射線は医療、農業、工業など多くの分野で利用されているにもかかわらず、その実態は一般にはほとんど知られていない。学校教育における放射線学習の欠如が主な原因であるが、放射線利用の現場からの情報発信の不足も否めない。患者への説明が必要な医療現場とは異なり、工業製品の製造加工や農業・食品関連分野では、放射線利用による高品質を誇るどころかむしろ消費者の目から隠そうとして来たのではないだろうか。タイヤや電線の製造、食品容器やPETボトルの滅菌、印刷塗膜の硬化などなど。日本で食品照射の実用化が進まないのも、安全性や利便性についての消費者の知識不足や放射線に対する漠然とした不安だけではなく、偏見の強さと風評被害の怖さを知る事業者の打算と沈黙で本来のニーズが見えなくなっていること、及び、そのような状況を放置して有用な技術の社会実装を怠ってきた行政の不作為こそが原因である。  2011年、福島事故後の混乱の中での待った無しの課題として、放射線についての正しい知識をもとに自ら考え、判断し、行動することによって放射線の害から身を守るだけでなく風評被害や差別にも立ち向かう力をつけるための放射線教育の取り組みが、福島を中心に熱意ある教師らによって始まった。それに対して、放射線利用の現場からはどのような貢献ができるだろうか。現実には、多くの生徒たちは理科の時間に放射線を学ぶ前に、社会科などで原爆の悲惨なイメージによる恐怖感や間違った先入観を植えつけられている。その嫌悪感を和らげるクッションとして、身近なところで放射線が実際に使われて役立っているという放射線利用の実例を導入に使うのは有用かもしれない。しかし、製品や応用例を羅列するだけでは、表面的な知識にとどまり、深い興味と探究心をかき立てることはできないのではないか。ましてや「放射線の不思議な力」のような言い方で魔術的なイメージを持たせることは却って有害ではないか。  学校の児童・生徒、教員、保護者、そして一般市民に対する放射線教育のあり方について、参加者とともに考えたい。, 日本放射線影響学会第60回大会}, title = {放射線利用の現場からの情報発信}, year = {2017} }