@misc{oai:repo.qst.go.jp:00066390, author = {嶋田, 道也 and 嶋田 道也}, month = {Aug}, note = {原型炉ダイバータは、極めてチャレンジングで高リスクな課題である。というのはJT-60やJETなどの現行装置に比べ、原型炉は約2倍以上の定常熱負荷、一桁以上の非定常熱負荷を受けるからである。そこで二つの選択肢が考えられる。ひとつはITER方式の延長ないし改良を行うこと、もうひとつは斬新な方式を開発することである。ITER方式を基盤にするのであれば、ディスラプション・ELMの完璧な対策を車の両輪のようにセットで開発すべきである。ディスラプション・ELMの熱負荷で現行装置ではタングステンは溶融しないが、原型炉では溶融し、再固化後表面に凹凸が発生し、割れやすくなるなど、後の運転が困難になる。そのため、神経回路網など学習が必要なディスラプション予測法や、多くの試行錯誤が必要なELM低減法は原型炉には適用できないことを特記すべきである。斬新な方式ではディスラプション・ELMに耐えるダイバータを開発の目標とすべきである。放射冷却は、高パワー領域で効率が低下する。そのため高パワーを伴う原型炉では、放射冷却に頼りすぎると、必要となる不純物量が過剰となり、炉心との整合性を確保することが困難になる。 液体金属は、対流させることにより高パワーを除去でき、ディスラプション・ELMの後の回復が速いという可能性を持っているが、まだ開発の初期的段階にあり、流動の原理検証、腐食の対策、炉心との整合性など、これから取り組むべき課題が山積しており、とても数年のR&Dでは結論は出ない。当面最大の課題は、資金と人員の確保である。 タングステンが炉心と整合するかどうかを示すためには、原型炉のパラメータ、たとえばグリーンワルド密度の1.2倍の炉心密度において、ディスラプションがほとんどの場合(2年に1度程度の例外を除いて)充分緩和される、アルゴン密度が炉心密度の0.5パーセント、高いセパラトリックス密度、閉じ込め性能が比例則の1.3倍などを、実験データベースに基づいて示すことが必要であるが、そのようなデータはまだない。言い換えれば、炉心との整合性を示すには、相当の努力と工夫が必要である。このように、ITER路線にしても極めて高いリスクがあることを考慮すると、拙速に一案に絞ることは難しい。数年程度のR&Dでは結論は出ない。 まとめると、ITERの既定路線の極めて高いリスク(材料の割れ、炉心との整合性、ディスラプション・ELMの影響)を鑑みると、現時点で候補をひとつに絞ることは難しい。既定路線に並行して、斬新な先進ダイバータ開発とディスラプション・ELM対策の開発を進めることが不可欠である。, 核融合原型炉開発に向けたアクションプラン説明会}, title = {コメント「先進ダイバータとタングステンダイバータの課題」}, year = {2017} }