@misc{oai:repo.qst.go.jp:00066374, author = {須原, 哲也 and Suhara, Tetsuya}, month = {Jul}, note = {精神·神経疾患の診断は臨床症状や神経学的症候によって行われてきたが、近年脳内の分子の変化を直接捉えるイメージング技術が大きな役割を果たすようになってきている。特に神経疾患においてはパーキンソン病のドーパミントランスポーターのイメージングやアルツハイマー病におけるアミロイドイメージングはこれまでの症候中心の診断を大きく変えつつある。特に神経変性疾患で脳内に蓄積する異常たんぱくに関しては、アミロイドイメージングが開発されて以来、現在では複数のタウイメージング剤が開発されており、それらによって異常たんぱく蓄積の経時的変化や、多様なタウオパシーの特徴的なタウタンパクの脳内集積パターンが明らかになりつつある。また遺伝子改変動物を用いて、タウの蓄積と脳内炎症や神経細胞死などの関係も明らかになりつつある。一方で精神疾患においては明確な神経変性や異常たんぱくの蓄積がないことから、未だに症状評価を超えるイメージングバイオマーカーは存在しない。精神疾患においては指針症状の発現メカニズムがまだ十分解明されていないが、現在は神経伝達物質を含む脳内の神経回路の機能に障害があることが想定されている。このような観点から精神疾患のモデル動物の開発においては、精神症状を規定する回路の同定が求められる。動物、特に霊長類は高次機能の評価に適した動物だが、回路操作には脳内局所への正確な薬剤注入が必要となり、繰り返しの測定は必ずしも容易ではない。近年開発された化学遺伝学的手法(DREADD)は、人工受容体を発現させた神経細胞をCNOという薬物を用いて神経活動を制御することができる手法で、脳内で発現している状態をPETで可視化することもできる。この手法は大きな脳を持つサルにおいても光や電気回路など特殊なデバイスなしで、特定の脳神経細胞や神経路を末梢から投与した薬で一過性に制御でき、行動を制御できることから、霊長類を用いた精神·神経疾患の症候発現回路の検証や治療法の開発に幅広い応用が期待できる。精神·神経疾患の病態の解明と治療法の開発にはin vivoにおける脳内の情報の取得が欠かせないが、イメージング技術、特にPETによる特定分子のイメージングは小動物からヒトまで創薬ターゲットを直接可視化できることから、今後の精神·神経疾患の研究へのさらなる展開が期待される。, 第40回神経科学大会}, title = {Link between molecule and circuit from translational neuroimaging in neuropsychiatric disorders}, year = {2017} }