@misc{oai:repo.qst.go.jp:00066105, author = {金崎, 真聡 and 宇野, 雅貴 and 山内, 知也 and 小田, 啓二 and 福田, 祐仁 and 福田 祐仁}, month = {Sep}, note = {レーザー駆動イオン加速実験では、最大で数十MeV級の白色のエネルギースペクトルを有する陽子線が発生する。このような陽子線のエネルギースペクトル計測にはトムソンパラボラ、飛行時間型エネルギー分析計、ラジオクロミックフィルムや固体飛跡検出器CR-39を積層したスタック検出器等が用いられてきた。トムソンパラボラと飛行時間型エネルギー分析計は、加速された陽子線の空間分布を計測することはできないが、スタック検出器ではエネルギースペクトルと同時に陽子線の空間分布も計測が可能である。しかしながら、これまでのスタック検出器は、ラジオクロミックフィルムやCR-39のみを重ねたものが主流であったため、正確なエネルギースペクトルを得ることが困難であった。本研究では、CR-39を用いて、陽子線のエネルギースペクトルを正確に計測する手法の開発を行った。すなわち、モンテカルロ粒子輸送計算コードPHITSを用い、CR-39各層の間に適切な減速材を挿入し、エネルギースペクトルが再構成可能なスタック検出器の設計を行った。  Fig. 1にスタック検出器の設計概念を示す。本研究ではCR-39として、最大で20 MeVの陽子線を計測可能なHARZLAS (TD-1)(公称厚さ0.9 mm)の使用を想定している。例えば10 MeVの陽子線のCR-39内での飛程は0.959 mmであり、CR-39のみを重ねた場合には、1層目だけでなく2層目にもエッチピットを形成する。また15 MeV以上の場合には3層目にも、20 MeVの場合には4層目にもエッチピットを形成する。即ち、Fig. 1 (a)に示すように1つの陽子線が複数の層にエッチピットを形成するため、エッチピット数からエネルギースペクトルを求めることは不可能である。そこで、Fig. 1 (b)に示すように20 MeVまでの陽子線が次の層のCR-39に入射しないように減速材(PTFE (polytetrafluoroethylene))の厚みを計算したところ、およそ1.8 mmであった。これにより、厚さ0.9 mmのCR-39と厚さ1.8 mmのPTFEを組み合わせてスタックすることで、1つの陽子線に対して1つのエッチピットしか形成されないため、エッチピットを計数するだけで正確なエネルギースペクトルを再構成することが可能となった。 本研究で設計したCR-39を用いたスタック検出器は、トムソンパラボラや飛行時間型エネルギー分析計によるエネルギースペクトル計測で問題となる高エネルギー部分でのエネルギー分解能の低下が起こらない。また、ラジオクロミックフィルムよりも空間分解能が高いため、将来的に発生すると期待される数百MeV級のレーザー加速陽子線のエネルギースペクトロメータとして最適な検出器であると考えられる。講演では、スタック検出器を用いたエネルギースペクトルの再構成手法の詳細とともに、モデルエネルギースペクトルの再構成結果についても述べる。, 第77回応用物理学会秋季学術講演会}, title = {レーザー加速陽子線のためのエネルギースペクトロメータの設計}, year = {2016} }