@misc{oai:repo.qst.go.jp:00065924, author = {河野, 秀俊 and 河野 秀俊}, month = {Jul}, note = {核内のDNA動態と遺伝子発現機構を理解するために、クロマチンの基本構造であるヌクレオソーム及びそれらが連結したポリヌクレオソームのダイナミクス解析を行っている。ヌクレオソームは、ヒストンタンパク質8量体とそれに巻き付いたDNAで構成されるため、並列計算機を用いても長時間にわたる原子レベルのシミュレーション計算を実施するのは、未だに困難な対象である。私たちは、効率的なサンプリング方法を開発したり粗視化モデルを取り込んだりしながら、ヌクレオソームのダイナミクスを追いかけている。 モノヌクレオソームレベルでは、同時に複数のシミュレーションを実行し、ヒストンテールの役割を調べている。結果、H3テールはDNAと複雑な相互作用の様相を見せた。ある時は、リンカーDNAを開く方向に、ある時はリンカーDNAを閉じる方向に寄与している。一方、H2AのC末端テールは、リンカーDNAの閉じた状態を安定化するのに寄与していることが、計算によって示唆された。また、テールがコンパクトな構造を取った時はDNAを外に曲げ、DNAに巻き付いた時はDNAを硬くし、まっすぐな構造を取らせる傾向があることが分かった。 また、H3テールのアセチル化及びその蓄積がヌクレオソームに与える影響を調べている。アセチル化は、テールのへリックス構造の形成を促進すること、その傾向は基本的にアセチル化の量に比例すること、DNAがヒストンから解離しやすくなることなどが示唆された。 ポリヌクレオソームについては、そのダイナミクスを理解するために、大胆な粗視化モデルの開発を行っている。現在、シミュレーション計算に必要な力場の作成中である。また、ヒストンの化学修飾やバリアントがリンカーDNAのダイナミクスに与える影響を調べるためのFRET実験やヌクレオソーム構造の安定性とDNA配列の関係を調べる実験を開始したので、それらの結果も合わせて報告する。これらの実験データは、シミュレーション計算の力場の作成や計算結果の妥当性の検証に必要不可欠である。, 新学術領域 クロマチン動構造班会議}, title = {シミュレーション計算による動的クロマチンのダイナミクス解析}, year = {2016} }