@misc{oai:repo.qst.go.jp:00065914, author = {吉井, 裕 and 伊豆本, 幸恵 and 松山, 嗣史 and 福津, 久美子 and 濱野, 毅 and 酒井, 康弘 and 栗原, 治 and 藤林, 康久 and 吉井 裕 and 伊豆本 幸恵 and 松山 嗣史 and 福津 久美子 and 濱野 毅 and 栗原 治 and 藤林 康久}, month = {Jun}, note = {1. はじめに  原子炉損傷を伴う大規模事故の収束現場において創傷事故が発生し、患者の創傷部がPuに汚染されていることが疑われるとき、その迅速な検出と定量は治療方針の決定に欠かせない。α粒子が血液に遮蔽されて検出が困難な場合、Puが放出する特性X線をHPGe検出器で測定することが有用であると考えられるが、放射性物質が飛散し空間線量率が上昇している環境ではコンプトン散乱線によってX線領域のベースラインが上がり、正確な分析が難しくなる。一方、蛍光X線分析装置に用いられているシリコンドリフト検出器 (SDD) はγ線の影響をほとんど受けないので、高空間線量率環境下でも測定が可能であると考えられる。そこで本研究では、Cs-137線源で作り出した高空間線量率環境下で、X線測定用HPGeによる特性X線の測定と可搬型XRF装置による蛍光X線測定を行い、その結果を比較した。 2. 実験 刺し傷モデルとして、ポリエチレンブロックに直径3 mm,深さ約1 mmの円錐形の傷をつけ,そこに750 Bqの硝酸Pu溶液を滴下した。この硝酸Pu溶液に含まれるPu-239+240の質量は約300 ngであり、放射能比で5%のAm-241を含んでいる。さらに、滴下したPuと同質量の劣化U溶液(U-238質量300 ng)を滴下し乾燥させた。 高空間線量率環境は2個の10 MBq Cs-137密封線源によって作り出した。空間上の各点の空間線量率はNaIシンチレーションサーベイメータで計測した。 特性X線の測定にはX線測定に特化した薄型(厚さ15 mm) の可搬型HPGe検出器であるLOAX36300 (SEIKO EG&G) を用いた。 蛍光X線の測定には可搬型蛍光X線分析装置である100FA (Ourstex) を用いた。この装置にはX線検出器として厚さ0.45 mmのSDDが用いられている。 3. 結果と考察 LOAX36300のX線領域でのエネルギー分解能は300 eV程度であり、PuとAmから放出される特性X線を分離できないが、59.5 keVに観測されるAm-241のγ線との強度比を使ってAm由来の特性X線の寄与を差し引くことでPuの定量が可能である。しかし、空間線量率が上昇するに伴ってX線領域のベースラインが上昇してピークの検出が困難となり、約4 µSv/hを超えると、窒息現象により測定できなくなった。 100FAに用いられているSDDのエネルギー分解能は140eVほどで、Uの蛍光X線など他の元素由来の信号とPuの蛍光X線を容易に分離できる。このため、ピーク信号強度から直ちにPuの定量が可能である。また、空間線量率が10 µSv/hを超えてもスペクトルに全く変化はなく、正確な分析が可能だった。 4. 結論  事故現場でのPu汚染の検出と定量においては、Pu由来の信号を他の元素由来の信号と分離でき、かつ、高空間線量率環境下でも測定可能な蛍光X線分析が有効である。この方法は、汚染創傷部に限らず、様々な対象に応用できる。, 日本保健物理学会第49回研究発表会}, title = {高空間線量率環境下におけるプルトニウムの特性X線測定と蛍光X線測定}, year = {2016} }