@misc{oai:repo.qst.go.jp:00065832, author = {勝部, 孝則 and 王, 冰 and 田中, 薫 and 二宮, 康晴 and Guillaume, Vares and 川越, 大輝 and 塩見, 尚子 and 久保田, 善久 and 劉, 強 and 森田, 明典 and 中島, 徹夫 and 根井, 充 and 勝部 孝則 and 王 冰 and 田中 薫 and 二宮 康晴 and Guillaume Vares and 川越 大輝 and 塩見 尚子 and 久保田 善久 and 中島 徹夫 and 根井 充}, month = {Dec}, note = {原発事故に伴うヒトへの健康被害は、放射線による直接的な生物影響だけではない。五感では感知できない放射線に対する恐怖心が、様々なかたちで心理的ストレスを誘発する。放射能長期汚染状況において屋外での活動が制限されることも、心理的ストレスの原因となる。最近、マウスを身体拘束する実験系で心理的ストレスによって癌抑制遺伝子p53の機能が抑制され、放射線発がん感受性が高まるとする知見が報告された。放射線被ばくに加え、原発事故に起因する心理的ストレスによって、より大きな健康被害が生じることが懸念される。また、福島県の子供が受けているストレスは、年齢が低いほど強いとの報告がある。我々は、子供への放射線影響に心理的ストレスが相乗的に作用する可能性を検討するために、幼若マウスの身体拘束ストレス実験系を構築し、放射線の生物影響について多面的な解析を行っている(Wang et al., 2015)。本シンポジウムでは、脾細胞染色体異常のfluorescence in situ hybridization (FISH)法による解析結果について報告する。5週齢の野生型雄マウス(C57BL/6J Jms)に、毎日6時間(昼間)の拘束を4週間連続して実施し、心理的ストレスを与えた。拘束開始8日目に、4GyのX線全身照射を1回実施した。4週間の拘束実験終了と同時にマウスを安楽死させ、脾臓から分離した細胞を、分裂促進因子存在下で26時間培養し、培養終了2時間前にコルセミドを添加した。培養終了と同時に細胞を回収し、風乾法により染色体標本を調整した。FISH法により、1番、2番、3番染色体を、それぞれ、緑色、赤色、黄色に染色し、染色体自動解析システムで分裂中期の細胞の画像データを取得した。Protocol for Aberration Identification and Nomenclature Terminology (PAINT) system (Tucker et al.,1995)により1〜3番染色体を含む染色体型の転座、挿入、二動原体、断片について検討したところ、X線照射による染色体異常の誘導は検出されたが、心理的ストレス単独での影響は認められなかった。興味深いことに、心理的ストレスとX線の両方に暴露されると、X線照射単独の場合にくらべ、転座の頻度は有意に低下した。二動原体、挿入、断片については有意な増減は認められなかった。二動原体については、その形態的特徴から、DAPI染色のみで全ての染色体について検出可能である。二動原体のみを全染色体について再検討したところ、X線で誘導される二動原体の頻度は心理的ストレスにより増加した。二動原体は不安定型の異常であり、細胞増殖に伴い減少する。今回の実験では、X線照射の3週間後に観察している。心理的ストレスにより脾細胞の増殖能が低下している為に、二動原体の減少が抑えられている可能性がある。安定型染色体異常である転座の減少からは、心理的ストレスがX線による染色体異常誘導を抑えている可能性が示唆される。しかしながら、この仮説はこれまでの知見と一致しない。心理的ストレスは脾細胞を構成するリンパ球等の増殖や体内での分布に大きく作用することから、心理的ストレスの有無で脾細胞を構成する細胞の種類が大きく異なるために、このような結果になった可能性がある。以上の結果から、染色体異常の誘導については、放射線影響に心理的ストレスが相乗的に作用する可能性は否定的である。, 放射線防護研究センター•福島復興支援本部合同シンポジウム}, title = {心理的ストレスモデルにおける放射線修飾効果}, year = {2015} }