@misc{oai:repo.qst.go.jp:00065641, author = {佐藤, 健次 and 佐藤 健次}, month = {Mar}, note = {ノイズは電気回路のそこかしこに存在し、配線や回路要素を電流として流れるので、ジュール熱や誘電体損失、さらには磁気損失により、これらを発熱させる。ノイズはシグナルを汚すだけでなく発熱他の不具合の原因である。この考えは単純明快なので直ちに納得出来るものであろうが、それに対して、多くの人たちの努力にもかかわらず、従来の回路技術では、ノイズを制御することが出来ず、ノイズを減らすことが出来なかった。それどころか、思い込みで、ノイズは小さいと勝手に決め付け、発熱他の不具合の原因になるとは考えて来なかった。  しかし、20年以上も昔の話であるが、放医研HIMACのシンクロトロンの建設に当たり、ノーマルモードノイズだけでなくコモンモードノイズを削減出来る 「対称3線回路」を考案し、電磁石と電源のシステムを製作したところ、電流ノイズを、通常の電気回路と比較して、数百分の1にまで減らすことが出来た。最近のことであるが、これを発熱量に換算すると、25万分の1にまで、少なくなっており、発熱の原因として、ノイズは十分大きいことに気付いた。  また、数年前、多導体伝送線路の「新しい回路理論」が完成し、それに基づく計算によれば、配線の数が3本のときには、2種類の伝搬ノイズの結合現象や反射現象により、ノイズは理解し難いほど複雑な電磁気現象であることが判明し、それを、以下の6点にまとめた。 1. ノイズはシグナルを汚すだけでなく発熱他の不具合の原因である。 2. ノイズは波動であり、コモンモードノイズとノーマルモードノイズの2種類の伝搬ノイズが発生する。 3. 2つのモードが結合する。 4. 電気回路を構成する回路要素により伝搬ノイズの反射が発生する。 5. コモンモードノイズとノーマルモードノイズは配線や回路要素の全てに行きわたる。 6. 交直変換器や直交変換器のようなスイッチング電源を始めとして、全ての信号源はコモンモードノイズとノーマルモードノイズを同時に発生する。  本講演では、上記の複雑な電磁気現象が発生することを、2011年に第16回日本物理学会論文賞を受賞した、土岐博・佐藤健次共著論文1)に基づく計算で示す。 \n1) Hiroshi TOKI and Kenji SATO, Three Conductor Transmission Line Theory and Origin of Electromagnetic Radiation and Noise, J. Phys. Soc. Japan, 78 (2009) 094201, 日本物理学会第70回年次大会}, title = {ノイズはシグナルを汚すだけでなく発熱他の不具合の原因である}, year = {2015} }