@misc{oai:repo.qst.go.jp:00065514, author = {鈴木, 雅雄 and 鈴木 雅雄}, month = {Oct}, note = {バイスタンダー効果誘導の放射線線質依存性を明らかにする目的で、これまで国内外のマイクロビーム放射線照射施設を利用した研究を展開してきた。マイクロ ビーム照射の利点は、一つの照射試料中に放射線を照射した細胞と照射しない細胞を明確に区別して生物効果の解析が可能となることである。そこで20μm角 (または直径)に絞ったマイクロビームを細胞の大きさに比べて十分に大きな間隔で16 x 16点の格子状の照射を行い、ヒト正常細胞の細胞致死効果とHPRT遺 伝子座突然変異誘発効果に対するギャップジャンクションを介した細胞間情報伝達機構に起因するバイスタンダー効果誘導を検証した。結果は、日本原子力研究 開発機構の炭素イオンマイクロビーム照射でバイスタンダー効果誘導が観察され、ネオン・アルゴンイオンでは観察されなかった。また、高エネルギー加速器研 究機構のX線マイクロビーム、放射線医学総合研究所のプロトンマイクロビームにおいてもバイスタンダー効果は誘導されなかった。この結果を考えるためにさ らに以下の実験結果を得た。(1)シミュレーションによるイオンビームのトラック構造はLETが比較的大きなネオンやアルゴンイオンでは、トラックの中心 部から二次的な放射線が多数放出され、細胞核や細胞質にエネルギーを付与している。(2)バイスタンダー効果が観察されなかったX線においては、10μm 角に絞ったマイクロビームで細胞核に限定的照射した場合は、バイスタンダー効果が観察された。(3)さらにビームサイズを大きくして細胞核・細胞質を同時 に照射した場合は、マイクロビーム照射に比べて有為に生存率が上昇した。以上の結果から、次の作業仮説を立てた。『比較的低LET成分による放射線の細胞 質へのエネルギー付与が細胞核にエネルギー付与された結果生ずる生物効果を修飾する。』この仮説を検証するために、現在X線マイクロビームを利用して細胞 質への限定的照射に対する生物効果解析を進めている。 \nキーワード:マイクロビーム放射線、バイスタンダー効果、ギャップジャンクション, 日本放射線影響学会第57回大会}, title = {マイクロビーム放射線を利用した細胞核・細胞質限定的照射によるバイスタンダー効果解析}, year = {2014} }