@misc{oai:repo.qst.go.jp:00065487, author = {村山, 周平 and Kos, Petra and 宮田, 完二郎 and 片岡, 一則 and Qagner, Ernst and 加藤, 大 and 村山 周平}, month = {Jul}, note = {[目的]  遺伝子は生命機能の設計図であり、タンパク質合成を調節することで生命を制御している。タンパク質翻訳を抑制するsiRNAは、生命機能解明において重要な役割を持つと共に、疾患部位で過剰に発現するタンパク質の合成を阻害する次世代の治療法への利用が大いに期待されている。そのためsiRNAをRNaseによる分解から守り、必要時に放出することでsiRNA機能の制御が可能なキャリアの開発が進められている。 我々はこれまでに、親水性光応答性ナノ粒子ゲルを開発し、機能性分子を細胞内で保存し、時空間的な機能制御に成功している(参考文献1,2)。ナノ粒子ゲルは低い毒性や内包物の汎用性から生理活性物質キャリアとして有望であり、siRNAなどの核酸についても放出し、細胞の働きを厳密に制御できると考え、細胞内でのナノ粒子ゲルを用いた光による遺伝子の時空間的制御法の開発を試みた。 [方法] 細胞内で遺伝子を制御するべく、siRNA存在下、光分解性架橋剤PEG-photo-Acとカチオン性架橋剤DAB-Acを適切な電荷比で混合しラジカル重合によって、siRNA内包光分解性ナノ粒子を調製した。ルシフェラーゼ遺伝子を導入したSKOV3-Luc細胞を播種し、ルシフェリンを加え培養しsiRNA内包ナノ粒子を添加して細胞に導入後、紫外線照射によりナノ粒子からsiRNAを放出した。その後、ルシフェリンの蛍光強度の変化を測定し、siRNAによるルシフェラーゼ活性の抑制を調べた。 [結果・考察] アガロースゲル電気泳動で最適な電荷比(N/P比)を求めた。N/P比24を用いてsiRNA包含ナノゲル(ナノ粒子ゲル、ナノゲル、ナノ粒子など同一のものに対しては、統一した名前をつけましょう)を調製し、細胞に導入後紫外線でsiRNAを放出し、ルシフェラーゼ活性の低下を確認した。また放出するsiRNAの量が増加するに伴い、活性抑制が増強した。一方、ナノ粒子を導入しても光を当てていない細胞では、導入後24時間にわたってルシフェラーゼ活性の抑制が見られなかった。 これまでの結果と併せて、ナノゲルを用いた遺伝子発現の時空間的制御法は、生命機能を効率的・効果的・正確に制御するための方法論として非常に有望である。特に、細胞分裂や卵割の前にsiRNAを細胞内に導入しておくことで、特定の細胞周期のタイミングに必要な部位だけを狙ってsiRNAを放出することが可能になり、詳細なタンパク質の合成時期・役割を探ることができる強力なツールになると期待される。 参考文献: 1. S. Murayama et.al. Chem. Commun., 2012, 48, 8380–8382 2. S. Murayama, et. al. Chem. Commun., 2012, 48, 11461–11463., 第12回次世代を担う若手のためのフィジカル・ファーマフォーラム(PPF2014)}, title = {ナノゲルを用いた細胞内遺伝子制御法}, year = {2014} }