@misc{oai:repo.qst.go.jp:00065472, author = {大町, 康 and 池田, 瑞代 and 今村, 朋美 and 宍倉, 恵理子 and 金, ウンジュ and 栗原, 治 and 酒井, 一夫 and 大町 康 and 池田 瑞代 and 今村 朋美 and 宍倉 恵理子 and 金 ウンジュ and 栗原 治 and 酒井 一夫}, month = {Jun}, note = {1. はじめに  ウラン(以下、U)の毒性として臨床上腎障害が重要であり、U内部摂取時の除染剤として炭酸水素ナトリウム(以下、SB)が推奨されている1, 2)。しかしながら,一方では,人に対する推奨投与量である0.1g/kgのSB処置によるU除染効果は動物実験では確認されておらず3),特にラットではその効果は極めて限定であるとの報告もある4)。SBの処方として尿pHを8~9に維持することが望ましいとされており 1)、最近我々は、尿アルカリ化を示す投与量のSBについてラットを用いU除染作用を調べたところ、顕著な除染効果を示すことを実証した5)。今回、U摂取後のSBの投与タイミングによる除染効果についてラットを用いて検討を行った。 2. 方法 8週齢雄性SDラットにU 1mg/kgを硝酸ウラニルとして単回筋肉内投与し、U投与0.5、1、3、6、23時間後にSB(1 g/kg)を経口投与した。病態対照としてU投与0.5時間後に蒸留水を経口投与した群を設け、正常対照として同週齢の正常雄ラットを用いた。24時間尿をU投与翌日、2日目に採集し、U投与3日後にラットを深麻酔下で解剖し、血漿、腎臓、骨を採取した。臨床生化学検査として、血中尿素窒素(BUN)・クレアチニン(CRE)濃度、尿中タンパク(uTP)・尿糖(uGLU)排泄量について生化学自動分析装置を用い、尿pHはpHメータを用いて測定し、尿中β2-ミクログロブリン(β2-MG)はELISA法で測定した。また、尿、腎臓、骨をマイクロウェーブで有機分解後、ICP-MSを用いてU含量を測定した。 3. 結果  SB処置翌日までの24時間尿のpHは対照群と比べ有意に高かった。一日目尿では、0.5~3時間後SB処置で尿中U排泄が有意に増加した(0.5, 1時間後SB処置群で対照群より約58%増、3時間後 SB処置群で約24%増)。U投与3日後の腎臓中Uは、0.5~6時間後SB処置群で対照群より有意に低く、その減少程度はSB処置のタイミングが早いほど顕著であった。U投与3日後の病態対照群ではBUN、CRE、uTP、uGLU、β2-MGの有意な増加を伴う急性腎障害が誘発されたが、0.5および1時間後SB処置で、BUN、CRE、uTP,uGLU、β2-MGの有意な減少が認められた。 4. まとめ  ラットに急性腎障害を誘発する濃度のUを筋肉内投与後、様々なタイミングでSBを投与し、その体内除染効果について検討した。U投与0.5~3時間後のSB処置で尿中U排泄亢進が認められ、1時間以内のSB処置は明らかな腎障害抑制効果も示した。U投与23時間後のSB処置は除染効果を示さず、U急性曝露においては如何にすみやかにSBを処置し、尿アルカリ化を促すかが重要であると考えられた。 参考文献 1) NCRP Report 161 (2010) 2) EPR-MEDICAL 2005 (2005). 3) Landolt-Börnstein, Group VIII: Advanced Materals and Technolgies, Vol. 4: Radiological Protection, 2004. 4) MH. Henge-Napoli, et al, Int. J. Radiat. Biol, 389 (1995). 5) Y. Ohmachi, et al, The 39th annual meeting of the Japanese Society of Toxicologic Pathology, 2014., 日本保健物理学会第47回研究発表会}, title = {炭酸水素ナトリウムのウラン体内除染効果における投与タイミングに関する実験的検討}, year = {2014} }