@misc{oai:repo.qst.go.jp:00065435, author = {福田, 美保 and 青野, 辰雄 and 吉田, 聡 and 長沼, 翔 and 久保, 篤史 and 嶋田, 啓資 and 高澤, 伸江 and 保坂, 拓志 and 佐藤, 憲一郎 and 山口, 征矢 and 伊藤, 友加里 and 石丸, 隆 and 神田, 穣太 and 山崎, 慎之介 and 福田 美保 and 青野 辰雄 and 吉田 聡 and 山崎 慎之介}, month = {Mar}, note = {1 はじめに 東京電力福島第一原子力発電所(福島第一原発)の事故に伴い環境へ放出された放射性物質は、間接 流入や直接流入を通じて、沿岸から外洋へ広範囲に拡散した。原発事故から 3 年が経過し、海水中の放射 性Cs濃度は福島第一原発近傍の一部の海域を除いて、事故前のレベルまで減少しつつある。一方で、海底 堆積物の放射性核種の濃度減少は海水に比べて緩やかであるため、海洋生物への長期的な影響が懸念さ れている。そこで本研究では福島沿岸域の海水および堆積物中の放射性Cs濃度分布と要因、挙動を明らか にすることを目的とした。 \n2. 試料採取および測定法 試料は、東京海洋大学練習船「海鷹丸」(UM13-05、2013 年 5 月)で行われた調査航海で、福島第一原発 より 5 km から約 20 km 圏内にて採取された海水および海底堆積物試料を用いた。海水試料は AMP 法を用 いて放射性 Cs の分析を行った。堆積物試料は船上で厚さ 1 cm ごとに分割し、研究室で乾燥後に 1 mm 以下 の粒子についてゲルマニウム半導体検出器を用いて 134Cs や 137Cs などの放射性核種濃度を測定し、得られ た Cs 濃度は試料採取日に補正を行った。また、強熱減量試験による有機物含有量の測定を行った。 \n3. 結果および考察  ゲルマニウム半導体検出器で海水および堆積物中にて検出された人工放射性核種は Cs のみであった。 表層海水中の 137Cs 濃度(Bq/kg)範囲は 0.0029 から 0.049 で、モニタリングで報告されている同時期• 同海域の 137Cs 濃度(0.0090 から 0.16)よりも低く、概ね福島第一原発からの距離に応じて減少していた が、福島第一原発から南側海域での 137Cs 濃度の方が北側海域のものよりも高い傾向にあった。鉛直海水中 の 137Cs 濃度は測点の位置に応じて傾向が異なり、福島第一原発から北側海域に位置する測点 AN6 や M01 では、表層から海底にかけて 137Cs 濃度がほとんど変化していなかったのに対し、南側海域の測点 AN7 では表層から海底にかけて減少しており、東側海域の測点 NP2 と測点 NP1 では海底付近で濃度極大層が見 られていた。このことから海水中の Cs 濃度は、福島第一原発からの距離だけでなく、鉛直混合の強弱や海底 付近での堆積物の再懸濁などに影響を受けていると考えられる。一方、堆積物表層(0 cm から 3 cm)の 137Cs 濃度範囲(Bq/kg-dry)は 16 から 90 で、最も濃度が高かった測点は、I02 の 0 cm から 1 cm 層であった。測点 I02 における海水中の 137Cs 濃度は、海底付近の水深で 検出限界以下であった。堆積物中の強熱減量の割合 は測点 I02 で最も高く、堆積物中の 137Cs 濃度と正の相 関が認められ、有機物含有量が相対的に多い層で、 137Cs 濃度が高い傾向にあった。以上の結果から、堆積 物表層での Cs 濃度は、海水中の Cs 濃度だけでなく、 堆積物中の化学組成、水平輸送の強弱などに影響を 受けると考えられる。 発表では、2013 年 10 月に「神鷹丸」SY13-10 航 海にて採取された海水と堆積物中の Cs 結果との比 較を行う予定である。 \n 本研究の成果は福島県放射線医学研究開発事業補助金お よび文科省科研費新術領域研究 24110005 の一部である。, 第15回 「環境放射能」研究会}, title = {2013年の福島沿岸域における海水および堆積物中に含まれる 放射性セシウム濃度分布とその挙動}, year = {2014} }