@misc{oai:repo.qst.go.jp:00065369, author = {細木彩夏 and 細木 彩夏}, month = {Aug}, note = {放射線照射によって細胞中に多くの活性酸素 (ROS) が生じる他にも、代謝の過程でミトコンドリアから漏れ出すROSもある。ROSは細胞中のDNAやタンパク質、脂質などの生体分子に損傷を与え、細胞死や突然変異などを起こす要因になっている。また、突然変異の蓄積は細胞をがん化する重要な原因の一つでもある。放射線照射および細胞代謝で生じるROSが細胞にどのような影響を与えているのか、それに対して,細胞の酸化ストレスに対する防御機構がどう応答するのかに関しての研究はまだ不十分である。 本研究では、(1)活性酸素防御酵素SODに焦点をあてて、まず、ヒト細胞で高発現細胞株を樹立し、それらの細胞の放射線に対する細胞応答の変化を調べた。さらに、(2)ミトコンドリアの障害、核DNA損傷、ROSレベルと放射線による細胞障害との関連を調べた。 SOD1を過剰発現させた細胞株では放射線への抵抗性がみられなかったのにも関わらず、SOD2を過剰発現させた細胞株では放射線抵抗性であった。そこで、ミトコンドリアの機能維持の有無を形態変化から測定した。するとSOD2過剰発現株で断片化が抑制されており、ミトコンドリア機能不全が原因と考えられるROSレベルの増加に対しても抑制効果がみられた。また、照射された細胞における細胞質ROSレベルと核DNAのDSB量を測定したところ、SOD2過剰発現株で抑制されていた。 ミトコンドリアは細胞内代謝により発生したROSに常にさらされている。また、ミトコンドリア局在型抗酸化酵素 (SOD2) の高発現で防御的効果が観察出来たことから、ミトコンドリアに局在している抗酸化酵素は細胞全体の恒常性維持に重要であるといえる。, 平成24年度若手放射線生物学研究会企画 京都大学原子炉実験所専門研究会}, title = {ミトコンドリア機能保持による細胞障害抑制効果}, year = {2012} }