@misc{oai:repo.qst.go.jp:00065325, author = {長谷川, 純崇 and 長谷川 純崇}, month = {Nov}, note = {本シンポジウムでは、基礎研究者の立場から、我々の内用療法生物学研究を紹介するとともに国内外の文献的な考察も加えて、新規薬剤開発を含めた今後のRI内用療法の展開について議論を深めたい。 治療用RIを用いた内用療法は長い歴史を有する治療法であり、一部のがんでは安全で有効な治療法として確固たる地位を築いている。従来は甲状腺におけるヨウ素取り込み等、組織の内因的な物質取り込み機序を利用した治療が主であったが、最近では、ゼヴァリンをはじめとして、がん細胞の表面抗原に対して優れた標的効果を持つ抗体と治療用RIを組み合わせた放射免疫療法の有効性が示され、内用療法は新たなステージに移行している。また、使用線種においても、現在臨床で用いられているβ線だけではなく高い生物効果を持つα線やオージェ電子を用いた治療研究も進められており、最近報告されたα線放出核種ラジウム-223による転移がん患者生命予後の有意な延長は、内用療法の新たな可能性を予感させる。 内用療法の特長の一つは、放射性医薬品の病巣集積性や非標的臓器への不適格分布を確認することによって治療最適化を図れることであり、更に、遺伝子発現パターンや放射線感受性を規定するシグナル伝達プロファイル等、標的とする個々のがんの生物学的特性を考慮することで個別化医療への展開も可能となるであろう。また、その適応範囲は理論上、転移がんや微小がん等の今までconventionalな治療で効果が十分に得られなかったがんにも及んでおり、次世代のがん治療としても期待される治療法の一つである。 内用療法は、特定のがんに対して臨床的に十分な治療効果が得られていることに異論はないが、放射線生物学的視点から眺めると、細胞障害や細胞死について未解明な点も多く指摘されている。こうした生物学的に未解明な点を解明していくことは、内用療法の生物学的基盤を確立し生物学的知見に基づいた新規薬剤開発や新たな発想の治療戦略構築につながる可能性を秘めており、内用療法の更なる発展のためには不可欠なことであろう。その際、本治療がすでにがん臨床治療の一つであることを常に意識し、現場での問題点をフィードバックさせながら研究を進めていくことが重要であると考える。そのため、臨床医と研究者の強力な連携は欠かせない。更に言えば、がん内用療法は、核医学のみならず、薬物送達学、放射線物理学や放射化学等様々な分野と関連があることから、今後の研究発展のためには関連する多分野の叡智を結集することが効果的であり、様々な分野の研究者の参入や関連学術分野の人材育成も期待されるところである。, 第53回日本核医学会学術総会}, title = {RI内用療法の新展開}, year = {2013} }