@misc{oai:repo.qst.go.jp:00065226, author = {高萩, 真彦 and 高萩 真彦}, month = {Oct}, note = {低線量率放射線による長期被ばくの影響を理解するために、ヒト培養細胞を用いて 、それに含まれる特定の細胞集団あるいは DNA 結合性因子の動態に関する研究を実 施した。本研究の着目点は、被ばく後に誘導される一過性の変化ではなく、細胞分裂 後も長期にわたって維持される変化の有無である。今回特に注目したことは、ある種 の培養細胞には少なからず存在しており、がん発生との関連が指摘されている幹細胞 様の細胞における変化である。
 実験では、ヒト・リンパ芽球様細胞の(1組の Syngenic cells:TK6 & WI-L2-NS)を用いて、明確な致死効果が検出されない低線 量率条件(5 mGy/h)で連続照射を行った。2日毎に新鮮培地の添加と細胞の一部を凍 結保存しながら、1ヶ月間の照射期間を設けた。この後、非照射環境にて約3ヶ月間培 養を継続し、その過程で適時に細胞の採取保存を行った。解析時には、凍結保存され た細胞を再増殖させて使用した。特定の細胞集団への影響を知るために、FACS を利 用して散乱強度と PI 染色性を指標に有核生細胞を選別した。続いてヘキスト系試薬 (DCV)に由来する二色の蛍光によってドットプロット展開し、何れの蛍光強度も低 いことを特徴とする幹細胞様細胞(SP 細胞)を峻別した。その細胞集団に注目した 結果、放射線被ばく後(総線量〜3Gy)では、SP 分画に存在する細胞数の明確な減少 が観察された。またその変化は、照射後に数十回の細胞分裂を経ても維持されており 、変異型 p53 を有する細胞株(WI-L2-NS)においてはより顕著に認められた。そこで 、この細胞株に含まれる核蛋白質、特にヘキスト系試薬が結合しやすい DNA 構造へ の親和性を示す蛋白質群を中心に性状の変化を解析した。予備的な成果として、低線 量率長期被ばく細胞に由来する複数の DNA 結合蛋白質において、機能的あるいは構 造的な変化が生じている可能性が示唆された。, 日本放射線影響学会第56回大会}, title = {低線量率長期被ばくによるヒト培養細胞への影響とDNA結合因子における変化について}, year = {2013} }