@misc{oai:repo.qst.go.jp:00065118, author = {村山, 周平 and 城, 潤一郎 and 佐賀, 恒夫 and 青木, 伊知男 and 加藤, 大 and 村山 周平 and 城 潤一郎 and 佐賀 恒夫 and 青木 伊知男 and 加藤 大}, month = {Aug}, note = {[目的] タンパク質は高い反応効率と選択性を持ち、次世代医薬品として注目されている。しかし、標的部位以外で働くことで重篤な副作用を生む危険性がある、生体内での安定性が欠如するなどの性質から、タンパク質を安定に疾患部位だけに送達し、余剰なものは速やかに生体外に排出する安全なタンパク質キャリアが希求されている。キャリアを多機能化、特に可視化することで、疾患部位への送達を実際に確認し、外部信号を用いた疾患部位限定的な機能発現が可能となり、治療効果の向上と副作用の低減が期待できる。放射線は、腫瘍治療に用いられており、放射線分解性のナノ粒子キャリアを用いることで、現在の放射線治療法に併用して薬を送達でき、有効な治療につながると期待できる。 我々はこれまでに、親水性で細胞毒性の低いタンパク質内包光応答性ナノ粒子ゲルを開発し、機能性タンパク質をはじめとする様々な分子を細胞内で数日間安定に保存し、外部刺激による時空間的な機能発現に成功している(参考文献)。この粒子は開裂性架橋剤を変えることで、光以外の刺激による内包分子の機能制御も可能であり、その低い毒性や内包物の汎用性から医薬品キャリアとして非常に有望である。 そこで本研究では、陽性の核磁気共鳴画像法(MRI)造影剤であるMn2+を親水性ナノ粒子ゲルに包含し、MRIを用いてin vivoでの実際の動態をマウスにて評価すると共に、蛍光および電子顕微鏡(TEM)により、ナノ粒子ゲルの実際の生体内での動態を探った。 [方法] 機能性タンパク質、MRI造影剤を各種ゲル材料と共に重合し、タンパク質内包蛍光性ナノ粒子(200 nm)を調製した。この粒子をマウスに投与し、MRI(7-T, Bruker BioSpin社)、生体蛍光イメージング(マエストロ, PerkinElmer社)で生体内での動態、各組織への貯留性を観察した。腎排泄後のナノ粒子の構造を調べるために、フェリチン内包ナノ粒子をマウスに投与し、尿中に排泄されたナノ粒子についてTEMで観察した。 [結果・考察] 本粒子は粒子径からEnhanced Permeation and Retention(EPR)効果で腫瘍に集積すると予想されたが、MRIと蛍光で、腎臓、膀胱、尿に強いシグナルが観察され、また尿中から投与前と同じフェリチンを含む特徴的な粒子がTEMで観察され、肝臓や腫瘍等の組織への集積は少なかった。本粒子はEPR効果を受けず、毒性の低い腎排泄型キャリアとして高い将来性が期待され、標的性の付与により高い特異性を持ち、疾患部位に集積するキャリアとなる。さらに、放射線に応答して分解するような性質を付加することで、放射線治療に併用して用いることが可能な多機能型タンパク質キャリアを開発する。 参考文献:Murayama, S. et al., Chem. Comm., 48, 11461-11463 (2012), 第11回次世代を担う若手のためのフィジカル・ファーマフォーラム(PPF)2013}, title = {多機能型タンパク質キャリアの開発とMRIによる動態の解析}, year = {2013} }