@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064977, author = {山谷, 泰賀 and 吉田, 英治 and 錦戸, 文彦 and 田島, 英朗 and 平野, 祥之 and 稲玉, 直子 and 辻, 厚至 and 脇坂, 秀克 and 稲庭, 拓 and 佐藤, 眞二 and 中島, 靖紀 and 山谷 泰賀 and 吉田 英治 and 錦戸 文彦 and 田島 英朗 and 平野 祥之 and 稲玉 直子 and 辻 厚至 and 脇坂 秀克 and 稲庭 拓 and 佐藤 眞二 and 中島 靖紀}, month = {Apr}, note = {1.研究の目的とバックグラウンド  我々は、世界初の開放型PET装置「OpenPET」のアイディアを2008年に提案し[1]、粒子線治療における照射野イメージングや、直接的な腫瘍トラッキングの実現を目指している。具体的には、20P250において、小型OpenPET試作機を開発し(Fig. 1 (a))、106 pps程度の11Cビームによる照射野イメージングをファントム実験にて実証した[2]。照射中+照射後のPET計測により、従来のオートアクティベーションでは実現不可能であった、一次粒子自体の3次元分布の画像化が可能であることが示された。  また、高強度ビーム照射においてPET検出器が受ける影響を検証した結果、決定的なダメージは無かったものの、最大強度である1.6x109 ppsにおいては、二次粒子が入射しやすい位置の検出器が麻痺してしまうことが分かった。  そこで、本課題では、OpenPETの具現化に向けて、要素技術の研究開発を行うと共に、装置試作による実証試験を行う。具体的な課題は、以下の通りである。 ・重粒子線照射場用PET検出器の開発 ・小型試作機の開発と実証試験 2.前年度のまとめ ・重粒子線照射場用PET検出器の開発  シンチレータは自己発光成分を持たないものとしてGSO(Ze添加型)を採用した。また、量子効率の高いスーパーバイアルカリ(SBA)と呼ばれる光電面を持つ新型のPMT(H10966 浜松ホトニクス製)を採用した。また、高強度照射下でのPMTの飽和を抑えるために、PMTのデバイダ回路の電流値を標準の5倍にするよう改良した。 ・小型試作機の開発と実証試験  H23年度は1号試作機(Fig. 1 (a))を用いて実験を行い、in-beam測定でのOpenPETの有用性を示した。実験は2次ビーム室で行い12C 、11C、10CペンシルビームをPMMAやラットに照射した。その結果10Cビームを用いた場合、0.3Gy相当のin-beam測定において3mmの飛程の差を識別することに成功した。また11Cでも3Gy相当のin-beam測定において同様の結果が得られた。12C の場合は半減期の長さからin-beam測定では画像化は困難であったが、照射終了後に20min測定を行うことで3mmの飛程差が識別可能であることを示した。 3.今年度の研究内容 ・重粒子線照射場用PET検出器の開発  昨年度の仕様に加えて、炭素線照射時に発生する直流成分の影響押さえるためにアンプの出力はAC結合にし、加えて計数率増加の際のAC結合由来によるベースラインシフトを押さえるために回路の最終段にベースライン(BLR)補正回路を追加した。PET検出器の最終試作品をFig. 2に示す。実験は物理コース(PH2)で行い290MeV/uの12Cを使用した。ビーム強度は1.0x107ppsから1.6x109ppsの間で強度を変えつつ照射を行った。12Cは20cm長の水ファントムに照射され、核破砕により生成された粒子のみが水ファントムを突き抜け検出器に入射する。検出器はファントム後部30度30cmの位置に配置した。 ・小型試作機の開発と実証試験  今年度は、Fig. 1(b)上に示すような第二世代OpenPET(single-ring OpenPET: SROP)を提案し[3]、その小型試作機を開発した(図1(b)下)。試作機では、楕円状に16個のDOI検出器を配置したリングを2本製作し、ずらしながら45度傾けることによって、約7.5cm幅の開放空間を確保した。そして、PMMAファントム(4cm角、10cm長)に対して、12C 、11C、10Cペンシルビームを照射した。照射線量は、いずれも約2.5Gyである。また、1号試作機より視野サイズが大きくなったため、ウサギを使った照射実験も行った。 4.今年度の研究成果と解析結果 ・重粒子線照射場用PET検出器の開発  1x108ppsの炭素線照射下(厳密にいうと3.3秒周期の照射スピル間)において、位置弁別能およびエネルギ弁別能について文がいないことが示された。実際の治療環境下でも十分に計測が可能であると考えられる。 ・小型試作機の開発と実証試験  一例として、照射直後から20分間PET計測を行って、画像化した結果をFig. 3に示す。ペンシルビーム(ビーム径約1.5cm)の上半分の飛程を9mmずらし、その9mmのずれがPET画像上で再現されているかどうかに注目したデモンストレーションである。第二世代OpenPETによる照射野イメージング性能が実証された。約10秒照射、2.5Gy線量の共通条件によるペンシルビーム照射実験から得られた結論をまとめる。 ・12C照射では、20分程度のPET計測が必要。ピーク位置の揺らぎは±3.9mmであり、PET装置の分解能より大きい。 ・12C照射では、画像中のピーク位置はブラッグピーク位置より5.4mm手前であった。物体依存であるため要注意である。 ・11C・10C照射では、照射中のみのPET計測でも、ピーク位置の揺らぎは±2.1mm(PET分解能の範囲内)であった。 ・RIビーム照射では、ほぼビーム停止位置そのものが可視化されている。 ・照射中+照射後60秒計測の比較では、10C照射による計数は11C照射の約12倍。, 平成24年度HIMAC共同利用研究成果発表会}, title = {重粒子線照射野イメージングのためのOpenPET装置開発に関する研究}, year = {2013} }