@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064834, author = {武田, 志乃 and 北原, 圭祐 and 沼子, 千弥 and 及川, 将一 and 石川, 剛弘 and 小久保, 年章 and 島田, 義也 and 武田 志乃 and 及川 将一 and 石川 剛弘 and 小久保 年章 and 島田 義也}, month = {Nov}, note = {1. はじめに  原発事故をはじめ、劣化ウラン弾汚染や原子力資源獲得競争による環境負荷の懸念などを背景に、ウランの毒性影響に関心がもたれ、放射線防護の観点から早急な対応が求められている。ウランは腎毒性物質として知られており、これまで我々は微小ビームを用いた高エネルギーシンクロトロン放射光蛍光X線分析によりウランの腎臓内挙動と毒性影響の関係を調べ、ウランが下流部位の近位尿細管に選択的に蓄積し、組織損傷を引き起こしていることを示した1)。また、腎臓近位尿細管上皮にウラン濃集部位があること、この濃集部位は数ミクロン四方とごく微小領域であることを見出してきた。ウランの腎毒性作用機序を明らかにするためには、このような標的部位におけるウラン量と組織影響との関係を検討する必要がある。そこで本研究では、マイクロPIXEによりウラン濃集部位の局所定量解析を試みた。 \n2. 方法  ラット(雄性、10週齢)に酢酸ウラン(天然型)を皮下に一回投与(2 mg/kg)し、投与1日後に屠殺して腎臓を摘出した。一方の腎臓は、中性緩衝生理ホルマリンで固定し、パラフィン切片を作成して病理組織観察を行った。もう一方の腎臓の上部から凍結切片を作成し(10 µm厚)、PIXE測定試料とした。これに隣接する中央部分は高純度硝酸を加えて灰化し、誘導結合プラズマ質量分析によりウラン濃度を測定した。PIXE測定試料の一方の隣接切片は下流部位近位尿細管マーカーであるグルタミンシンターゼの免疫染色を行い、下流部位近位尿細管分布を調べ、PIXE測定試料における分析位置を決定した。もう一方の隣接切片はヘマトキシリン-エオシン染色し組織構造を観察し、ウランイメージングとの尿細管対応を行った。マイクロPIXE分析は放射線医学総合研究所のPIXE分析用加速器システム(PASTA)で行った。下流部位近位尿細管領域に微小ビーム(エネルギー、2.6 MeV;空間分解能、1 µm × 1 µm)をスキャンさせ、元素イメージングを得た。またスポット分析を行った。ウラン局所量は、10 µm厚の薄切分析標準(0〜500 ppm)を作成し2)、各薄切分析標準について任意の3点における蛍光X線強度から検量線を作成し求めた。 \n3. 結果と考察  1 µm の空間分解能における100-500 ppmの薄切分析標準の任意の3点のウラン蛍光X線強度の相対標準偏差は4.6-10.3%、であり、100-500 ppmの濃度範囲で良好な検量線が得られることが確認された。下流部位近位尿細管上皮には、リンおよびカリウムが集積している部位があり、腎臓平均ウラン濃度の10倍程度のウラン局在の部位が認められた。マイクロPIXE分析は腎臓内ウラン局在解析に有効な手法であると考えられた。 \n文献 1) S. Homma-Takeda et al., Nucl. Instr. Meth. Phys. Res. B, 267, 2167-2170, 2009. 2) S. Homma-Takeda et al., J. Radioanal. Nucl. Chem., 279, 627-631, 2009., 第28回 PIXEシンポジウム}, title = {マイクロPIXE分析によるウラン投与ラット腎臓のウラン局在解析}, year = {2012} }