@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064821, author = {吉川, 正信 and 村山, 千恵子 and 平山, 亮一 and 鵜澤, 玲子 and 古澤, 佳也 and 吉川 正信 and 村山 千恵子 and 平山 亮一 and 鵜澤 玲子 and 古澤 佳也}, month = {Jun}, note = {目的:D体アミノ酸はL体アミノ酸とは異なる代謝経路を持つことから、生物学的効果がL体アミノ酸に比べ強いことが知られている。硫黄を含む求核剤であるD-メチオニンは、L-メチオニンに比べて生物学的半減期が長くクリアランス値が小さいことが知られており、明白な副作用を伴うことなく、 低LET放射線照射または白金含有抗癌剤治療を受けている患者に対して、抗腫瘍効果を損なわず粘膜炎、聴器毒性、腎毒性などに対して予防または軽減効果を示すことが報告されている。我々は既にD-メチオニンの低LET放射線照射後の口腔粘膜に対する放射線防護効果を報告しているが[1]、今回、D-メチオニンに対して新たに重粒子線治療による口腔内正常組織障害(粘膜炎・唾液分泌低下など)の予防薬・軽減薬としての可能性を検討した。 \n材料・方法:C3Hマウスの頭頸部に対し、炭素イオン線 (放医研HIMAC:290MeV/u, 6cm-SOBP, LET 50keV/µm) の局所照射を5日間行い、最終照射日から6日後および25日後に唾液分泌量を測定後に、舌・唾液腺を摘出した。摘出組織は、ホルマリン固定後標本を作製し、HE染色した。舌の断面組織を顕微鏡撮影し舌粘膜上皮細胞の厚さを画像解析ソフトにより測定し評価した。ペントバルビタール麻酔下においてピロカルピンを投与し全唾液を回収し、その重量により唾液分泌量を評価した。D-メチオニン(150 mg/kg) は、照射7分前に経口投与した。 \n結果:マウス頭頸部への照射により舌粘膜上皮は高照射線量において菲薄が起こり、低照射線量では肥厚傾向が観察された。D-メチオニン投与群では菲薄化が抑制されておりD-メチオニンの舌粘膜上皮細胞に対する放射線防護効果が確認された。最終照射日から6日後の舌粘膜上皮細胞厚の比より求めた防護率は約1.6であった。  また唾液分泌量の減少は分割照射中より観察され、この障害は長期におよぶことが知られている。本実験においても最終照射日から25日後に非投与群では、唾液分泌量は減少したままであったが、D-メチオニン投与群では有意な改善効果が認められた。  頭頸部領域照射後の口腔内正常組織障害の過程として、 分割照射中に発症する唾液分泌の減少、引き続いて起こる舌を含む口腔粘膜細胞の菲薄化・脱落に起因する摂食障害の後の死亡が予測される。そこでD-メチオニン併用炭素イオン線分割照射マウスの生存率を検討した。最終照射日から25日後の評価において、D-メチオニン併用群において有意な生存率の改善が認められた。 \n結論:D-メチオニンは炭素イオン線照射による急性期の口腔粘膜障害のみならず慢性期の唾液腺機能障害においても放射線防護効果を有することが示唆された。 \n文献: [1]M. Yoshikawa et al., Int J Radiat Oncol Bio Phys, in press, 2012, 第50回日本放射線腫瘍学会生物部会学術大会}, title = {重粒子線照射による口腔粘膜障害および唾液腺機能障害に対するD-メチオニンの防護効果}, year = {2012} }