@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064820, author = {吉田, 由香里 and 安藤, 興一 and 小池, 幸子 and 鵜澤, 玲子 and 安藤, 謙 and 村田, 和俊 and 吉本, 由哉 and 武者, 篤 and 久保, 亘輝 and 河村, 英将 and 松本, 孔貴 and 平山, 亮一 and 鈴木, 義行 and 古澤, 佳也 and 高橋, 健夫 and 大野, 達也 and 中野, 隆史 and 吉田 由香里 and 小池 幸子 and 鵜澤 玲子 and 安藤 謙 and 村田 和俊 and 吉本 由哉 and 武者 篤 and 久保 亘輝 and 河村 英将 and 松本 孔貴 and 平山 亮一 and 鈴木 義行 and 古澤 佳也 and 高橋 健夫}, month = {Jun}, note = {はじめに:重粒子線の生物効果を生かす治療法を探るためには、腫瘍と正常組織に対する生物学的効果比(RBE)と線エネルギー付与(LET)について分割回数による違いを調べ、その際の治療可能比を調べる必要がある。重粒子線治療は数日間かけて行うが、毎回の線量を大きくすれば効果が上がるとは限らない。また、重粒子線の特性から重粒子線治療は分割回数の少ない治療が効果的であると考えられており、これまでに、マウスの照射実験によって、治療で用いている炭素線6 cm拡大ピーク分割照射効果(1〜6分割)を4つのLETについて調べ、腫瘍と皮膚について生物効果のデータを分析した結果、中程度LETで少数回照射するほうが相対効果が強いことが示されているが [1] 、重粒子線による分割照射の効果は未だ十分に研究されていない。本研究では、正常組織(腸管)および腫瘍組織に対する分割照射効果についてマウスを用いて調べ、重粒子線治療における最適な分割照射法を明らかにすることを目的とした。 \n材料・方法:すべての実験でC3H/Heマウスを用いた。腫瘍はマウス由来繊維肉腫NFSa細胞を用いてマウスの後肢に移植した。放射線医学総合研究所にて炭素線290 MeV/n, SOBP 60 mmのビームでLET 20 keV/m, 74 keV/mになるような位置で全身照射(腸管)もしくは後肢(腫瘍)を照射した。比較対照実験としてX線照射(200 kVp, ~1.4 Gy/min)を行った。照射間隔は4時間とし、1〜12回の照射を行った。解析は、腸管は照射3〜4日後のマウスから腸管を取り出し切片を作成した後、クリプト生残数をカウントした。腫瘍は3辺を計測し、推定腫瘍体積を算出し、体積が5倍になるまでに必要な日数を指標として、各群の腫瘍増殖遅延(TGD)時間を求めた。各群における比較はSpecific TGD(TGD/T1, T1: コントロール群における体積の5倍加時間)の値を用いた。 \n結果:crypt survival assayの結果からcrypt survivalが10の時の各分割回数における正常組織による当効果線量を得た。同様に、NFSa腫瘍のSpecific TGDの解析結果からSpesific TGDが2の時の各分割回数における腫瘍の当効果線量を得た。これら当効果線量を用い、各線質における治療可能比(TR)を算出した。その結果、X線によるTRは6〜8分割照射においてもっとも大きかったのに対し、炭素線、特にLET 74 keV/mでは分割回数の増加に伴いTRが増加した。次に、それぞれの当効果線量を用いてX線に対する各LETでの炭素線の生物学的効果比(RBE)を求めた。LET 20 keV/mにおけるRBEはcryptと腫瘍の間で有意な違いは認められず、分割回数における違いも認められなかった。LET 74 keV/mにおいては、分割回数の増加に伴いcryptおよび腫瘍におけるRBEが緩やかな増加傾向にあり、分割回数が10以上ではcryptより腫瘍のRBEが高かった。 \n考察・結論:これらの結果は、高LET放射線治療は分割照射において正常組織と腫瘍との反応の違いが誘導されることにより治療利得を獲得するということを示唆した。 \n文献: [1]K. Ando et al., J Radiat Res 46:51-57, 2005, 第50回日本放射線腫瘍学会生物部会学術大会}, title = {炭素イオン線分割照射効果に関する正常組織と腫瘍の比較}, year = {2012} }