@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064762, author = {高野, 晴成 and 高野 晴成}, month = {Sep}, note = {電気けいれん療法(ECT)の有効性は確立されてはいるものの、作用機序に関しては未解明である。ECTは通常1コースの治療として10回程度反復施行するが、その前後で脳画像技術を用いて脳機能の変化を検討した報告は多い。しかしながら、単回刺激でどのような変化が起こるかを検討することも重要である。 われわれは単回のECTの脳血流に与える影響について、positron emission tomographyを用いて、1コースの初回の修正型ECTを施行中のうつ病患者の脳血流を経時的に測定した。その結果、全般性けいれん発作最中には、麻酔下の刺激前の脳血流と比較して、脳幹や間脳、基底核、側頭葉内側部で特に有意な増加がみられた。一方、投与電気量の滴定の過程で、脳波上けいれん発作波がみられない、ECT不発時の脳血流も得られた。その場合、海馬、側頭葉、小脳での血流増加がみられたが、脳幹・間脳での増加はみられなかった。 全般性けいれんについては中心脳(高位脳幹および間脳)仮説が以前から提唱されていたが、これは理論的に想定されたものであった。しかし、ECT成功時に脳幹・間脳で脳血流の増加が顕著であったという結果は、全般性けいれんの中心脳仮説を支持しているものと考えられる。さらに、ECTは発作が全般化しないと効果が得られないことから、中心脳の脳血流変化とECTの作用機序との関連も示唆される。 また、発作後10-30分の脳血流は前部帯状回、内側前頭部で有意に低下し、視床で増加していた。 Bolwigらは最近の総説で、ECTの作用機序について、全般性けいれん仮説、神経内分泌・間脳仮説、解剖―けいれん発作複合仮説の3つを主要な仮説として取り上げている。われわれのPET研究もECTが中心脳を刺激することを示したとして、内分泌・間脳仮説の傍証として引用されている。 一方、経頭蓋磁気刺激法(TMS)や脳深部刺激(DBS)などは脳局所を刺激する治療法であるが、これらの治療とECTとの異同についても、脳血流に与える影響の報告をもとに考察したい。, 第34回日本生物学的精神医学会}, title = {PETを用いたECTの作用機序の検討―特に単回刺激の脳に与える影響について}, year = {2012} }