@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064761, author = {高野, 晴成 and 高野 晴成}, month = {Sep}, note = {Positron emission tomography (PET) は短半減期の放射性同位元素で標識された放射性トレーサーを用いて、生体の生理・生化学情報をin vivoで経時的かつ定量的に測定する、分子イメージングの主要な手法の一つである。気分障害に関しては、主として脳内モノアミン系の神経伝達機能の評価が行われてきている。 セロトニントランスポーター(5-HTT)については、うつ病患者では健常者に比較して視床や線条体などで結合能が増加していることが報告されている。また、治療量のselective serotonin reuptake inhibitor (SSRI)は、種類によらず80%以上の5-HTTの占有率(薬物投与前後の結合能の減少率)であることが示されている。すなわち、この値がSSRIの治療閾値を示していると考えられ、用量設定に用いられている。セロトニン1A受容体に関しては、うつ病患者では中脳縫線核で結合能が低下しており、また、電気けいれん療法(ECT)の治療前後で変化はみられなかった。このことから、セロトニン1A受容体の低下がうつ病の素因を示していることが示唆される。 ノルエピネフリントランスポーター(NET)に関しては、我々はserotonin norepinephrine reuptake inhibitorであるmilnacipranを服薬中のうつ病患者で5-HTTとNETの双方の占有率を測定したところ、100mg/日の投与量で5-HTTとNETとも約40%であった。この結果は、milnacipranは5-HTTとNETの相乗作用で治療効果を発現しているか、あるいは用量設定が低い、などの可能性が考えられる。 ドーパミン(DA)系では、D1受容体の結合能がうつ病患者において前頭葉や尾状核での低下が報告されている。また、我々はECTの1コース治療前後でD2受容体結合能が前部帯状回で低下することを示したが、経頭蓋磁気刺激法(TMS)では治療前後で線条体のDA生成能・D2受容体結合能に変化はみられなかった。ただしいずれも少数例での検討であり、今後の研究が待たれる。, 第34回日本生物学的精神医学会}, title = {PETによるうつ病の病態と治療の評価}, year = {2012} }