@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064738, author = {古澤, 佳也 and 青木, 瑞穂 and 古澤 佳也}, month = {Sep}, note = {【背景・目的】重粒子線など高LET放射線の生物効果はそのLETに従って生物学的効果比RBEが変化し、100-200keV/µm辺りで極大を示すことはよく知られているが、その機構については不明な点が多い。このLET-RBEカーブで特徴的なピークを示す生物効果の機構を解明するため、HIMACの重粒子線ビームを用い、相同組替修復系と非相同末端結合系の遺伝子をノックアウトした細胞を用いて検討した。 【方法】細胞は鶏DT40細胞の親株(W)と、ku70(K)またはrad54(R)及び両者(KR)をノックアウトした4種を用いた。放射線はC-135/290/400、Si-135/490、Ar-135/500及びFe-200/500 MeV/uのビームを用い、LETは13〜800 keV/umの範囲であった。培地に浮遊培養(α-MEM, 39.5oC)し、照射した細胞は寒天コロニー形成法(軟寒天重層法)で生存率を解析し、PCC-FISH法(calyclin A, Chromosome #1 probe)で生成した染色体異常(フラグメント)数を検討した。 【結果・考察】(K)株では二層性の生存率曲線が得られ、D10値で10倍以上の違いが観察された。これは細胞周期による姉妹染色体分体の存在の有無でHR修復の可否が決まる為で、この株は感受性で@F(感受性)と@S(抵抗性)とに分けられる。修復が働く細胞(W, R, K@S)の場合にはX線に対して低かった感受性がLETと共に上昇し、約200keV/umで極大を示し、その後は再び減少した。修復系が働かない細胞(KR, K@F)の感受性は最も高く、かつRBEのピークを見せず、100keV/um以上の高LET領域では単調に低下していった。 このようにDNA損傷が修復可能な細胞中では通常のLET-RBE分布が観られたが、修復機構が働かない細胞中ではこれを観ることが出来なかった。また100keV/umを越える高LET領域での見せかけの感受性の低下は、粒子線のヒットの確立の低下であると考えられる。 細胞内での姉妹染色体分体の有無と可能な修復システムの違いにより生物効果のLET依存性の大きな違いが明らかになり、RBEのピークはDNA-dsbの誤修復に起因していることが示唆された。染色体異常については別に述べる。, 日本放射線影響学会 第55回大会}, title = {LET-RBEのピークはDNA修復によって形成される}, year = {2012} }