@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064728, author = {中島, 菜花子 and 平山, 亮一 and 藤森, 亮 and その他 and 中島 菜花子 and 平山 亮一 and 藤森 亮}, month = {Sep}, note = {重粒子線のエネルギー付与は粒子の飛跡に沿って生じるが、その線量分布構造(トラック構造)は、電離密度が高い「コアトラック」と、コアトラックから派生するδ線による「ペナンブラ」の部分に分けられる。実際に重粒子線が細胞のDNAに与える損傷は、DNA二重鎖切断マーカーであるγH2AXを免疫蛍光染色することにより視覚化でき、重粒子線を細胞の接着面に対して水平方向に照射すると、重粒子線の飛跡が観察できる。我々はトラック構造中のDNA損傷の特徴について解析している。鉄線(500MeV/u, LET 200kev/μm)を水平照射したヒト繊維芽細胞の細胞核中には、「線状に形成されているγH2AX フォーカス(点)」:コアトラックと、「コアトラックから離れた場所に独立したスポットとして形成されたγH2AX foci」:ペナンブラが、各々明確に観察される。コアトラックのγH2AX フォーカスはX線によるものと比較して幅が約6.6倍大きく、高解像度の顕微鏡(Delta Vision)下で観察すると、小さなフォーカスが多数集まったクラスターを形成しているのが分かった。このクラスターの形状は、照射後8時間まで間に非相同末端結合依存性に変化する事から、「コアトラックのDNA損傷は8時間までの間にある程度修復されている」と考えられる。しかし、γH2AXクラスターは照射後24時間後も細胞核内に残存している。増殖中の細胞であれば、コアトラックのDNA損傷が残ったまま、16時間から24時間後に細胞はM期に移行するため、細胞死の原因になると考えられる。一方、ペナンブラのγH2AX フォーカスはX線によるγH2AX フォーカスと大きさに有意差はなく、複雑性においてもX線によるγH2AX フォーカスと似通っていて、照射後8時間までの間に急速に消失する。すなわち、今回の結果から、コアトラックによるDNA損傷クラスターが、重粒子線の生物効果がX線より高い要因となっていると考えられた。我々は、コアトラックとペナンブラにそれぞれ特徴的な修復機構についてさらに解析を続けている。, 日本}, title = {重粒子線によるDNA損傷と修復の特徴:「コアトラック」と「ペナンブラ」の違い}, year = {2012} }