@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064720, author = {谷, 修祐 and その他 and 谷 修祐}, month = {Sep}, note = {C3H/HeN マウスでの放射線誘発急性骨髄性白血病(AML)は、低線量でのヒトの白血病リ スクを考える上で重要な実験モデルである。放射線によってAML を発症したマウスの造血 幹細胞では2 番染色体の欠損および染色体上に存在するSfpi1 遺伝子の突然変異が確認され、 これらの異常によって造血幹細胞の分化に重要な役割を持つPU.1 の転写が抑制されAML を発症すると考えられている。しかし、放射線によるAML ではSfpi1 遺伝子の突然変異の ほとんどは自然突然変異によって生じている。通常、自然突然変異の確率は低いので、こ のままでは放射線によるAML の発症率を説明できない。一方、老齢のマウスの造血幹細胞 ではその細胞が持つDNA 修復能が若いマウスと比較し衰えているという報告があり、DNA 修復能が低下することで自然突然変異を修復できなくなる可能性が増加すると考えられる。 また、造血幹細胞の複製過多は細胞老化の原因の一つと考えられている。伴らは造血細胞 における分化コンパートメントモデルを作成し、放射線照射後の造血細胞動態から、生存 している造血幹細胞一つあたりの分裂回数がバックグラウンド時より大幅に増加している ことをシミュレーションによって示し、放射線の照射によって造血幹細胞の老化が促進さ れ、自然突然変異率が増加する可能性があることを示唆した。本研究では2 番染色体の欠 損が放射線によって引き起こされ、その後、造血幹細胞の複製回数の増加によって細胞が 老化し、自然突然変異率が上昇すると仮定し、分化コンパートメントモデルを用いて3Gy 放射線照射時のAML 発症率を計算した。また、カロリー制限を受けたマウスでは、放射線 による細胞動態の変化に影響すると仮定し、カロリー制限下でのAML 発症率を計算した。 その結果、計算した3Gy 照射時のAML 発症率は放射線による損傷の結果、回復のための 長期の幹細胞の動態変化によって自然突然変異率が変化することで実験データを定量的に 説明できることがわかった。カロリー制限下では、細胞動態の低下によって自然突然変異 率の上昇が抑制されAML 発症率が低下することが実験値に一致した。本研究結果は、カロ リー制限の有無による放射線照射がもたらす細胞動態の変化を考慮することで、造血幹細 胞の老化を促進あるいは遅延することがAML 発症率に影響を及ぼすという発生機構を支 持するものとなった。, 日本放射線影響学会第55回大会}, title = {造血幹細胞動態に着目したC3H/HeN マウスでの放射線誘発白血病の数理モデル解析}, year = {2012} }