@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064710, author = {今岡, 達彦 and 臺野, 和広 and 西村, まゆみ and 細木, 彩夏 and 島田, 義也 and 今岡 達彦 and 臺野 和広 and 西村 まゆみ and 細木 彩夏 and 島田 義也}, month = {Sep}, note = {低線量被ばくの反復や低線量率での連続的被ばくの蓄積線量から健康リスクを推定する際には、高線量・高線量率における線量当たりのリスクを直接適用するのではなく、さらに線量・線量率効果係数(DDREF)で除することが行われている。高線量・高線量率被ばくの状況では、個々のDNA損傷が独立して起こす作用(線量に比例)の他に、多くのDNA損傷が細胞内に同時に発生することで損傷間の相互作用(線量の2乗に比例)が生じるが、低線量・低線量率では損傷が少ないか回復の時間があるため2乗の項が無視できるという原理が、その根底にある。  乳がんは放射線防護上の重要臓器の一つである。原爆被爆者の現在までの疫学研究では、高線量率放射線による乳がんリスクの線量効果関係に2乗の項は観察されない。また低線量率放射線影響に関する疫学調査で推定される線量当たりの乳がんリスクは、原爆被爆者の調査から推定されるリスクと矛盾しない範囲内にある。しかし、リスク推定値の信頼区間の幅が大きく、しかも背景罹患率や放射線の種類が異なる集団の疫学研究を比較することには、限界がある。これに対して動物実験では、線量率以外の条件を統一して乳がん誘発効果を観察することが可能であるが、その結果には、低線量率における影響の減弱を認めるものと認めないものがある。このように、乳がんの誘発に関してはDDREFの概念の根底となる原理が必ずしも成り立つかどうかわからないが、動物実験の結果が示すように、低線量率の効果が高線量率より小さい状況も確かに存在する。  一方、近年の丹羽の総説(Radiat Res 174, 833-839, 2010)が指摘しているように、長期にわたって被ばくする状況の影響評価の概念構築には、細胞の入れ替わりという観点が取り入れられて然るべきであるものの、長期にわたる被ばくの影響を蓄積する細胞や放射線発がんの起源となる細胞の実体については、実験的に解明する道が開け始めたばかりである。本講演では、乳がんに関するこのような知見を動員し、どのような生物学的機序によって低線量反復もしくは低線量率連続被ばくによる発がん影響が乳腺組織において蓄積または排除されうるかを、具体的に考察したい。, 日本放射線影響学会第55回大会}, title = {長期の蓄積線量は発がん影響を表すか:乳がんの例の考察}, year = {2012} }