@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064664, author = {平山, 亮一 and 松本, 孔貴 and 鵜澤, 玲子 and 幸田, 華奈 and 野口, 実穂 and 加瀬, 優紀 and 松藤, 成弘 and 伊藤, 敦 and 古澤, 佳也 and 平山 亮一 and 松本 孔貴 and 鵜澤 玲子 and 幸田 華奈 and 松藤 成弘 and 伊藤 敦 and 古澤 佳也}, month = {Jun}, note = {はじめに:重粒子線がん治療の特徴としてQOL(Quality of Life)の高さが挙げられる。現在、放医研では豊富な治療経験を基に、さらなるQOL向上を目指し、新たな治療装置を開発・運用を始めている。例えば従来から行われていた拡大ビーム照射法(ワブラー照射法)に加え、次世代技術である3次元スキャニング照射法を導入している。この新しい照射法の利点は、スポットビームで患部を塗りつぶすため照射領域が厳密に制御でき、正常部位への被ばくの低減が可能となる。また、ワブラー照射法では患者ごとの治療具(ボーラスや患者コリメータ)の作成および治療時の治療具の交換等が無くなるため、治療時間の短縮と運用コストの削減が望める。さらにスポットビームではビームの利用効率が高く、コリメータ等から発生する二次放射線による被ばくリスクを軽減できる。このように3次元スキャニング照射法にはさまざまな利点があるが、生物学的な利点についてはまだ明らかになっていない点が多い。そこで、二次放射線に着目して、重粒子線の線質の違いによる生物効果を調べてみた。具体的には重粒子線から発生する二次粒子線が低LET成分の粒子線のため、低LET放射線の主作用であるOHラジカル由来の間接作用と重粒子線の高電離領域で生じるような直接作用の細胞致死効果を調べ、放射線作用と細胞致死における放射線感受性の違いを明らかにした。 \n材料・方法:X線(200 kVp)と炭素線(90 keV/µm)をCHO細胞に照射しコロニー形成法で細胞生存率を求めた。さらに放射線の間接作用を抑制するためにOHラジカル捕捉剤であるDMSOを用いて、濃度依存的に細胞保護率を算出し[1,2]、細胞致死における間接作用の寄与を求めた。 \n結果:細胞致死におけるX線の間接作用の寄与率は76%であった。炭素線においては寄与率が52%であった。また、10%細胞生存率における炭素線の生物学的効果比(RBE)は2.6であった。細胞生存率曲線を直接作用由来と間接作用由来の成分に分離し、炭素線の直接作用と間接作用による10%細胞生存率でのRBEをそれぞれ求めると、3.1と1.7であった。このことから、炭素線の大RBEは炭素線の直接作用が強く起因していることがわかった。 \nまとめ:重粒子線を使った大きい生物学的効果を生じさせるためには、重粒子線の直接作用を有効に使う照射条件が重要であり、間接作用が主作用である二次粒子線から成る低LET放射線の混入をできるだけ排除する必要がある。この問題は次世代技術である3次元スキャニング照射法を用いることで改善できると考える。 \n文献: [1]A. Ito et al., Radiat. Res., 165, (2006) 703-712. [2]R. Hirayama et al., Radiat. Res., 171, (2009) 212-218., 第50回日本放射線腫瘍学会生物部会学術大会}, title = {3次元スキャニング照射法による生物学的利点}, year = {2012} }