@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064641, author = {吉井, 裕 and 堀口, 敏宏 and 豊田, 新 and 鈴木, 敏和 and 田嶋, 克史 and 杉浦, 紳之 and 吉井 裕 and 堀口 敏宏 and 鈴木 敏和 and 田嶋 克史 and 杉浦 紳之}, month = {Jun}, note = {1.はじめに 東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故の発生以来、環境中の放射線状況についてのモニタリングが関係機関において鋭意行われてきているが、発生後数日間のデータは極めて限られている。本研究では、環境試料中のフリーラジカルを電子スピン共鳴法(Electron Spin Resonance: ESR)で計測し、事故から現在までの空間線量の積算値を推定することを目的としている。我々は、遮蔽の少ない潮間帯に生息し、生態についてもよく研究されているイボニシ(Thais clavigera)の貝殻を使ったESR線量計測による積算線量の推定方法を確立した。 2.実験 (1) 今回の事故による空間線量率の上昇がほとんどない千葉県館山市の海岸で4種類の巻貝を採集して貝殻のESR測定(バックグラウンド測定)を行った。(2) バックグラウンドの最も小さかったイボニシについて、まず500mGyのγ線照射を行った。これは積算で500mGy被ばくした貝に相当する。続いて、1Gyの追加照射とESR測定を繰り返した。そして追加照射の線量とESR信号強度の線形性から、初期照射の線量を推定した。 3.結果・考察 (1) 検討した4種類の巻貝の中で、イボニシのバックグラウンドが最も小さく、ESR測定に適していることが示された。(2)1Gyずつ10Gyまでの追加照射法により、初期照射の線量は474±43 mGyと推定された。更なる検討が必要ではあるが、検出限界は100mGyを下回る。この手法で有意な線量が見出されなかった場合、その付近における事故から現在までの積算線量は100mGyを下回ることとなり、事故直後にその付近で活動されていた方々の受けた線量が100mGyを超えないことが担保される。 4.福島県沿岸部におけるイボニシの採集とESR線量計測 福島県からの依頼に基づき、平成23年12月14日に福島県浜通りの警戒区域(1Fから半径20km圏内)に立ち入り、イボニシの生息状況を調査した。そこでイボニシの生息に適した地点を数か所見出しており、平成24年4月24日と25日に再度現地を訪れ、イボニシの採集を行う予定である。発表ではこの時に採集されたイボニシのESR線量計測結果も併せて紹介する予定である。 5.まとめ 潮間帯に生息するイボニシのESR線量計測によって、海岸線の積算線量を100mGy以下の精度で見積もる方法が確立された。, 日本保健物理学会第45回研究発表会}, title = {潮間帯に生息する巻貝(イボニシ)のESR線量計測による福島県沿岸部の積算線量の推定}, year = {2012} }