@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064624, author = {松本, 孔貴 and 松本 孔貴}, month = {Jun}, note = {【背景・目的】5000件を超える放医研の炭素線治療結果から、悪性黒色腫や骨肉腫のように優れた局所制御を得ながら遠隔転移によって満足な生存率が得られない症例が見られる。転移の制御は放射線治療の向上に必須であり、転移に対する放射線影響の基礎データの蓄積が重要である。本発表では、光子線および重粒子線が悪性腫瘍の高転移能に与える影響を調べ、転移抑制を目的とした放射線治療の可能性について言及したい。【材料と方法】細胞は高転移能を有するマウス悪性黒色腫及び骨肉腫由来細胞を用いた。1回照射では深さの異なる3点で、分割照射では中心のみで炭素線照射を行った。基準放射線として光子線を用いた。細胞実験:転移能として遊走能及び浸潤能をそれぞれBoyden chamber assayとMatrigel invasion assayで調べ、細胞致死はコロニー形成法で調べた。動物実験:マウス移植腫瘍に照射後,転移に対する効果は原発巣に起因する肺転移結節数で評価し、抗腫瘍効果は腫瘍内細胞致死で評価した。【結果】細胞実験:1回照射では、X線に比べ炭素線で優れた転移能抑制及び細胞致死効果が観察された。その効果比(RBE)はLET依存的に大きくなり、致死よりも転移能に対してより顕著だった。分割照射では,分割回数の増加に伴い細胞致死効果の低減、転移能の亢進がX線照射後顕著に見られた。1回・分割照射どちらにおいても、低線量X線による転移能亢進の可能性が示唆された。動物実験:1回線量に依存した肺転移数の減少が観察され、炭素線でより顕著だった。また腫瘍内細胞生存率から算出した等効果線量で比較しても炭素線がより顕著に肺転移を抑制した。X線では分割数の増加に伴い腫瘍内細胞致死効果の低減および肺転移結節数の増加が顕著に見られたが、炭素線では分割効果が小さかった。【結論】炭素線の抗転移効果は、腫瘍内細胞の死滅だけに依存せず生存細胞の転移能抑制効果にも起因する可能性が示された。低LET放射線の低線量域で転移能が亢進される可能性があること、照射前に原発巣から飛散した細胞により転移が形成されることから、この点を考慮した転移抑制を目的とした照射法や併用療法の検討が必要である。さらに高LET放射線の効果は他の生物学的エンドポイントと同様に、転移に対する効果でも分割効果が小さい事が明らかとなった。, 第18回癌治療増感研究会}, title = {悪性腫瘍の高転移能に対する重粒子線照射の影響}, year = {2012} }