@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064515, author = {佐々木, 健至 and 江口, 洋子 and その他 and 佐々木 健至 and 江口 洋子}, month = {Nov}, note = {【症例】33歳女性、右利き。短大卒。5親等内に左利き3人あり。エジンバラ利き手テストで側生係数80。 【現病歴】助手席に乗車中、左から追突され全身打撲を負った。即日入院。 【神経学的所見、MRI所見】一過性の軽度意識障害(GCS13点)あり。左上下肢、特に左足関節の運動麻痺(MMT1〜2程度)あり。口部顔面失行あり。頭部MRIは異常なし。 【言語所見、検査所見】ピッチの過剰な変動、音の歪み、拗音化、促音の短音化、サ行音の強勢などを伴うプロソディーの表出異常を認めた。周囲から「中国なまり」という印象を抱かれ、foreign accent syndrome(FAS)と考えられた。WAB失語症検査で失語指数96.2と明らかな失語なし。WAIS-RでVIQ82、PIQ94、TIQ86。 【経過】不安、抑うつ、不眠などのため早期から精神科による投薬を要した。約10ヶ月間施行した言語療法に伴いプロソディー表出異常は全般的に改善傾向を示したが、受傷5年を経て持続した。また左足関節に目立つ運動麻痺も持続した。精神症状のコントロールは概ね良好。 【FDG-PET】受傷5年後、健常対照群23名との間でtwo sample t-testを施行(SPM2を使用)。右下前頭回(Brodmann47野)に最も強い集積低下があり(P < 0.001, uncorrected, k > 300)。 【考察】左側の運動麻痺および右半球の糖代謝低下より右半球損傷が示唆された。右半球損傷に伴うプロソディー異常として報告が多いaprosodiaとは違い、聞き手に「外国人なまり」という印象を与え、FASと考えられた。FASは左半球損傷に伴う報告が多いが、本例のFASは右半球損傷との関連が示唆された。左Brodmann47野は発話との関連が報告されており、外傷による同部位損傷でのFASの報告も存在する(Moonis, 1996)。本例では右Broadman47野に目立つ糖代謝低下を認め、言語機能の非定型的な側生化のためFASと関連した可能性が示唆された。病態としてはびまん性軸索損傷に伴う二次性の皮質糖代謝低下が推測された。, 第35回日本高次脳機能障害学会(旧 日本失語症学会)総会}, title = {頭部外傷後にforeign accent syndromeを含む多彩な症状を呈しFDG-PETで右下前頭回に集積低下を認めた1例}, year = {2011} }