@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064485, author = {福原, 潔 and 大野, 彰子 and 荒井, 卓也 and 中西, 郁夫 and 松本, 謙一郎 and 奥田, 晴宏 and 中西 郁夫 and 松本 謙一郎}, month = {Jan}, note = {1997年、ビタミンEのアルツハイマー予防効果がNew England Journal of Medicineに報告された。しかし、その後、じゅうぶんな効果は確認されていない。アルツハイマー病患者の脳内に高発現しているアミロイドβタンパク質(Aβ)は、通常のタンパク質と比べてβシート構造を形成して高い凝集能を示し、アミロイド線維からなる老人斑を形成して大脳皮質に沈着する。このアミロイド線維の形成過程で、活性酸素種が大量に発生することが明らかとなっており、神経細胞毒性や血管障害の原因になると考えられている。従って、Aβの凝集阻害とアミロイド線維から発生する活性酸素種を消去できれば、アルツハイマーの予防と治療が可能であると考えられる。我々は、脂溶性が高いビタミンEの構造と中性アミノ酸のみで構成されているAβのC末端構造に着目し、アルツハイマー予防薬の開発を試みた。Aβには、40のアミノ酸からなるペプチド(Aβ(1-40))およびC末端にさらに2つのアミノ酸(Ileu-Ala)が増えた42のアミノ酸からなるペプチド(Aβ(1-42))があり、Aβ(1-42)の方が凝集しやすく、神経毒性も高いことが知られている。また、Aβ(1-42)は、疎水性の高いアミノ酸で構成されているC末端の部分が分子内βシート構造をとり、それが核となって凝集し、線維形成が起こるという報告がある。そこで我々は、ビタミンEのフィチル側鎖をAβ(1-42)のC末端ペプチドで置換した化合物を設計および合成した。Aβ(1-42)のC末端部分が本化合物とβシート構造を形成できれば、分子内でβシートの形成が阻害されて線維形成が抑制されると考えられる。また、ビタミンE構造によるラジカル消去活性によって、Aβ(1-42)に由来する酸化ストレスが抑制されると考えられる。Aβ(1-42)との結合親和性については現在解析中であるが、本化合物は、Aβ(1-42)の凝集を強く抑制するとともに、Aβ(1-42)による神経細胞毒性をほぼ完全に抑制した。本化合物は、血液脳関門への透過性にやや問題を残しているが、新しいアルツハイマー治療薬のシーズとなることが大いに期待される。, 第23回ビタミンE研究会}, title = {アミロイドβを標的としたアルツハイマー予防薬の開発}, year = {2012} }