@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064480, author = {平野, しのぶ and 坂入 しのぶ}, month = {Oct}, note = {放射線と化学発がん物質との複合曝露によって発生したがんにおいて、単独曝露で発生したがんと比べてがん関連遺伝子の変異の蓄積がどのように変化するかについての情報は未だ少ない。そこで、X線とエチルニトロソウレア(ENU)の複合曝露により胸腺リンパ腫(TL)を誘発し、そのIkarosとp53およびKrasに注目して、突然変異の頻度とスペクトラムが単独曝露誘発TLの場合とどのように異なるかついて比較検討した。 [材料と方法] 週齢のB6C3F1雌マウスを用い、X線0.8〜1.0Gyを1週間間隔で4回全身照射、もしくはENUを飲料水として100〜200ppmを4週間投与しTLを誘発した。突然変異解析は、cDNAのダイレクトシークエンスとTAクローニングにより調べた。 [結果] TLの発生率は、X線単独またはENU単独処理と比較して、複合曝露処理で相乗的に増加した。Ikarosとp53は、単独処理に比べて複合曝露で変異頻度が増加した。また、複合曝露誘発TLでは、突然変異の種類の増加と分布範囲の拡大が認められた。Ikarosとp53のDNA結合領域の突然変異はタンパク質の立体構造を変化させるため、DNA結合能が失われると推定される。一方、Krasの突然変異は、ras familyに共通して報告されているホットスポット領域に集中していたが、突然変異頻度の増加や複合曝露特有の変異の特徴は見られなかった。  同時複合曝露効果により新たな突然変異誘発機構が活性化されるために、Ikarosとp53遺伝子の突然変異が蓄積することが、発がん頻度の増加の理由であろうと考えられる。  今後はヒトT細胞性急性リンパ球白血病で高頻度に変異が確認されているNotch1についても突然変異解析を行う予定である。, 京都大学原子炉専門研究会}, title = {放射線と化学物質の複合曝露によって誘発されたマウス胸腺リンパ腫におけるがん関連遺伝子の突然変異解析}, year = {2009} }