@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064472, author = {上野, 恵美 and 松本, 謙一郎 and 今井, 高志 and 安西, 和紀 and 上野 恵美 and 松本 謙一郎 and 今井 高志 and 安西 和紀}, month = {Dec}, note = {[目的]システアミンは、マウスへのX線骨髄死線量全身照射に対して防護効果があることが明らかになっている。本研究では、まず、システアミンが重粒子(炭素イオン)線に対しても同様の効果を有するかどうかを調べた。また炭素イオン線の腫瘍増殖抑制に対するシステアミンの影響を明らかにするために、腫瘍細胞を大腿部に移植したマウス(担がんマウス)を用いて評価を行った。 [方法](1)C3H/HeSlc系10週齢雄マウスに、重粒子線(炭素)6.0Gyを全身照射し、照射前にシステアミンを腹腔内投与した時の30日後の生存率を観察した。対照群には生理食塩水を投与し同様に照射を行った。 (2)ヌードマウス(BALB/cAJcl-nu/nu)およびC3H/HeSlc系マウスを用いた。ヌードマウスの大腿部にHeLa腫瘍細胞(ヒト子宮頸癌由来)を移植し、体積が50-100 mm3になった時点で4.0Gy局部照射を行い、炭素イオン線照射後の腫瘍サイズの変化を経日的に測定した。システアミンは照射30分前に、1.95 mmol/kgとなるよう腹腔内に投与した。C3H/HeSlc系マウスにおいては、大腿部にRIF-1腫瘍細胞(マウス線維肉腫由来)を移植し、体積が50-100 mm3になった時点で4.0、6.0および8.0 Gyの局部照射実験を行って、腫瘍サイズの変化を測定した。照射30分前にシステアミンを腹腔内に投与した。 [結果](1)システアミンを照射30分前に腹腔内投与することにより、6.0 Gyの炭素イオン線全身照射に対するマウスの30日生存率が上昇し、システアミンが炭素イオン線による骨髄死に対して防護効果を持つことが示された。この結果はX線に対する場合と同様に照射前投与が有効であることを示しており、炭素イオン線による骨髄死に対してもX線に対する効果と同様のメカニズムで作用している可能性が予想された。 (2)担がんマウスに対してシステアミンを照射30分前に腹腔内投与したのち、腫瘍へ炭素イオン線を局部照射しても、炭素イオン線の腫瘍増殖抑制効果には影響を与えなかった。すなわち(1)の実験ではシステアミンによる炭素線に対する防御効果が示されたにもかかわらず、腫瘍細胞に対してはシステアミンはほとんど防御効果を示さなかった。 [結論]システアミンは、重粒子(炭素イオン)線によるマウス骨髄死に対しても有効な防御効果を示すことが見出された。X線やγ線と比較して発生量は少ないものの、炭素イオン線もフリーラジカル(活性酸素)を生成することから、システアミンの抗酸化作用によって炭素イオン線による正常組織への障害が軽減されたものと考えられる。また腫瘍組織に対して防御効果を示さなかったことから、システアミンは正常組織特異的な防御剤として重粒子線癌治療において副作用の防止に利用できる可能性が示された。, 第26回日本酸化ストレス学会関東支部会}, title = {重粒子線(炭素)照射マウスに対するシステアミンの効果}, year = {2011} }