@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064416, author = {中島, 菜花子 and 岡安, 隆一 and 藤森, 亮 and その他 and 中島 菜花子 and 岡安 隆一 and 藤森 亮}, month = {Nov}, note = {重粒子線のRBEが高い理由を明らかにするため、特にDNA二重鎖切断(DSB)に着目し、重粒子線照射後のDSBとその修復機構の特徴を解析した。G0/G1期のヒト繊維芽細胞に放射線を照射し、DSBの指標として知られるγH2AXを蛍光抗体染色して高解像度顕微鏡Delta Visionで詳細に観察すると、一つの重粒子により形成されるγH2AX領域はX線によるものと比較すると鉄線では(LET 200 kev/μm)約25倍大きく、小さなfoci(点)がまとまったクラスター状に形成されていることが分かった。細胞の接着面に対し水平に照射した細胞核を観察すると、重粒子線が細胞核を通過するγH2AXの軌跡が認められ、つまり複数のヒストン間・染色体間にまたがってDNA損傷を引き起こしていることが裏付けられた。そしてfoci数の多いクラスターほど、修復されにくい傾向があり、小さなfociは2時間以内に修復されるが、foci数の多いクラスターは24時間後も修復されず残っている。この傾向は、少ないながらfociクラスターができるX線でも同様であった。クラスターはその後98時間後までの間に、ATM・非相同末端結合(NHEJ)依存性にゆっくりと修復される。修復後の染色体転座の頻度はXと比較して高く、これは広範囲に渡ってDNA損傷が起るため、DNA末端は正しい結合相手と再結合できず、他のDNA末端と再結合(miss re-joining)されていると考えられる。miss rejoiningは細胞死の原因となる不安定型染色体異常を引き起こすため、「DSBがfociクラスター状にできること」が、重粒子線のRBEが高い理由の一つであると考えられる。我々はmiss rejoiningに、ヒストンが動くための「クロマチンリモデリング」と「離れたDNA領域間のrejoiningに必須である53BP1」が関与していると予想し、53BP1がDNA損傷部位に集積するために必要なクロマチンリモデリング因子RNF8をknock downした細胞に重粒子線を照射し、その後のDSB修復効率を解析した。RNF8 knock downした細胞は、照射後98時間経っても95%以上のγH2AXの残存が認められ、重粒子線照射によるDNA損傷はRNF8を介してmiss rejoiningされている事が示唆された。我々は遺伝子不安定性と、重粒子によるfociクラスターおよびRNF8との関連性についてさらに解析している。, 第54回日本放射線影響学会}, title = {重粒子線によるDNA二重鎖切断とその修復の特徴}, year = {2011} }