@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064411, author = {砂押, 正章 and 平野, しのぶ and 甘崎, 佳子 and 西村, まゆみ and 島田, 義也 and 立花, 章 and 柿沼, 志津子 and 砂押 正章 and 坂入 しのぶ and 甘崎 佳子 and 石田 有香 and 島田 義也 and 立花 章 and 柿沼 志津子}, month = {Jul}, note = {<背景>:原爆被爆者やチェルノブイリ事故における被ばく者において、白血病や小児甲状腺がんの増加が問題となっている。その遺伝子変異解析の研究から、小児甲状腺がんでは、RET遺伝子とPTC遺伝子間の逆位頻度が高く、成人の甲状腺がんでは、BRAF遺伝子における点突然変異が高頻度であることが報告された。このことから、小児期の被ばくと成人期の被ばくにおける、がんの発生率や原因遺伝子、あるいは変異メカニズムの相違が示唆された。しかし、被ばく時年齢による発がんメカニズムの違いに関する報告は、小児甲状腺がん以外はほとんどない。 <目的>:幼若期被ばくマウスTリンパ腫と成体期被ばくマウスTリンパ腫について遺伝子変異解析を行い、被ばく時週齢の違いによる遺伝子変異の相違を解明し、Tリンパ腫発症メカニズムの被ばく時年齢(週齢)依存性を明らかにする。 <方法>:Tリンパ腫は、B6C3F1♀マウスに、生後1, 4, 8週齢から1週間間隔で4回、X線(1.2Gy)を全身照射して誘発した。得られたTリンパ腫からDNA,RNA,タンパク質を抽出し、11番染色体のLOH解析、がん抑制遺伝子p53の遺伝子変異解析を行った。 <結果>:1週齢群、4週齢群、8週齢群間におけるTリンパ腫発生率または潜伏期間に有意な差はなかった。11番染色体におけるLOH解析の結果、その頻度は1週齢群22%(4/18)よりも、4週齢群46%(6/13)または8週齢群63%(5/8)において高くなった。p53遺伝子は、cDNAを用いて塩基配列を解析した結果、全ての1週齢群Tリンパ腫(18/18:100%)において、162番目の塩基の後ろにチミン(T)1塩基が挿入された(T6>T7)フレームシフト突然変異を検出した。挿入の結果、直後のアミノ酸がGlnからStopコドンに変換され、フレームシフトp53 mRNAからは正常なタンパク質は合成されないと考えられた。驚いたことに、DNA上でのp53フレームシフト変異を確認したところ、DNA上ではフレームシフト変異は起こっていないことが明らかになった。つまり、1週齢群Tリンパ腫のフレームシフト変異は、mRNAへの転写の過程で突然変異が生じたと考えられた。 <結論>:幼若期被ばく誘発マウスTリンパ腫におけるゲノム変異の特徴として、p53 mRNAフレームシフト変異が高頻度に生じることを明らかにした。, 平成23年度 京都大学原子炉実験所専門研究会}, title = {幼若期被ばくにより発生したマウスTリンパ腫のゲノム変異}, year = {2011} }