@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064277, author = {臺野, 和広 and 今岡, 達彦 and 西村, まゆみ and 島田, 義也 and 臺野 和広 and 今岡 達彦 and 西村 まゆみ and 島田 義也}, month = {Jul}, note = {BRIP1遺伝子は、乳がん原因遺伝子BRCA1と結合して損傷DNAの修復に機能する。これまで、3次元培養法を用いた乳腺の形態形成モデルにおける遺伝子発現の網羅的解析を行い、DNA修復遺伝子BRIP1の発現が乳腺の形態形成に伴って変動することを見出した。この結果は、乳腺の形態形成において、DNA修復遺伝子BRIP1がDNA修復以外の機能を持っている可能性を示唆している。本研究では、3次元培養法を用いた乳腺の形態形成モデルを用いて、乳腺の形態形成過程におけるDNA修復遺伝子BRIP1の関与を明らかにすることを目的とした。 BRIP1遺伝子に対するshRNAを発現するレンチウイルスベクターを、ヒト正常様乳腺細胞に感染、導入させることで、shRNAを安定に発現する細胞株を樹立した。その際、5種類のshRNA候補配列それぞれについて、少なくとも10種類以上のshRNA導入細胞をクローニングし、ウエスタンブロット法を用いてBRIP1の発現が最も抑制されている細胞株を選出した。樹立したBRIP1遺伝子ノックダウン細胞を平板培養すると、細胞間の接着異常が観察された。同ノックダウン細胞を基底膜マトリクス存在下で3次元培養すると、腺管構造のサイズの増大や形態異常、内腔空間不形成といった異常が観察された。また、放射線誘発ラット乳がん12検体について、Brip1遺伝子の発現量を調べた結果、正常乳腺組織と比べ、放射線誘発ラット乳がんで遺伝子発現が著しく減少していた。 DNA修復遺伝子は、組織や個体の正常な発生にも重要な役割を果たしていることが知られている(Hum Mol Genet. 12:R113-23, 2003)。本研究で、BRIP1遺伝子が乳腺の形態形成に関与していることが示唆されたとともに、その発現減少により、がんの病変に観察されるような乳腺の構造異常を引き起こすことが分かった。さらに、放射線誘発ラット乳がんにおいて同遺伝子の発現が減少していることが分かった。今後、樹立したBRIP1遺伝子ノックダウン細胞を用い、乳腺におけるDNA修復と発生・分化の異常という観点から放射線発がん機構を明らかにすることで、乳腺の発生と放射線誘発乳がんの接点が明らかになると期待される。, 京都大学原子炉実験所専門研究会}, title = {乳腺の形態形成過程におけるDNA修復遺伝子BRIP1の関与}, year = {2011} }