@misc{oai:repo.qst.go.jp:00064247, author = {高野, 晴成 and 高野 晴成}, month = {May}, note = {うつ病の治療法として用いられる電気けいれん療法(electroconvulsive therapy: ECT)や経頭蓋磁気刺激法(transcranial magnetic stimulation: TMS)の作用機序に関しては不明な点が多いが、近年の脳機能画像技術の発展により、positron emission tomography (PET)などを用いてヒトを直接対象として様々な研究が行われている。PETでは投与する放射性トレーサーの性質に応じて脳血流・代謝や神経伝達機能など様々な脳機能が測定可能である。 ECTの脳血流に与える急性効果について、我々はH215O-PETを用いて、1コースの初回の修正型ECTを施行前後のうつ病患者の脳血流を経時的に測定した。その結果、けいれん発作最中には麻酔下の刺激前の脳血流と比較して、脳幹や間脳、基底核、側頭葉内側部で特に有意な増加がみられ、全般性けいれんにおけるこれらの部位の重要性が示唆された。また、発作後10-30分の脳血流は前部帯状回、内側前頭部で有意に低下し、視床で増加していた。特に発作後に前頭部で脳血流が低下するという所見は、Sackeimらの、ECTによる発作後の脳の抑制がその作用機序と関連しているという仮説を支持すると考えられる。 うつ病の治療としてのTMSは主として左または右の背外側前頭前野(DLPFC)を刺激するものである。TMSの脳血流・代謝に対する影響は、刺激頻度や刺激部位(左右)によっても異なるが、刺激部位と神経連絡をもつ皮質、皮質下、および辺縁系などに変化を与えることが報告されている。 一方、PETを用いてモノアミン系の神経伝達機能を検討した研究として、これまでECTの1コース治療前後でのドーパミンD2受容体、セロトニン1A受容体、セロトニン2A受容体結合能に対する影響などが報告されている。また、TMSにおいても、治療前後でのドーパミンD2受容体結合能やドーパミン生成能に対する影響なども報告されているが、いずれも症例数が少なく、今後の研究が待たれる。, 第33回日本生物学的精神医学会}, title = {ECTとTMSの作用機序に関するPET研究}, year = {2011} }