@misc{oai:repo.qst.go.jp:00063967, author = {松本, 孔貴 and 鵜澤, 玲子 and 平山, 亮一 and 小池, 幸子 and 安藤, 興一 and 古澤, 佳也 and その他 and 松本 孔貴 and 鵜澤 玲子 and 平山 亮一 and 小池 幸子 and 古澤 佳也}, month = {Jul}, note = {目的:放医研における炭素線治療は5000件を越え、その中で悪性黒色腫(メラノーマ)のように優れた局所制御が得られながらも遠隔転移によりそれに見合うだけの生存率の向上が得られない例が見られる。局所制御が優れた炭素線治療のような治療法においてこそ、転移の制御による生存率の向上は必須の課題であり、転移に対する照射後の効果を基礎的に明らかにする必要がある。本研究では、悪性黒色腫の高転移能に対する炭素線の効果をin vitroおよびin vivoの両面で評価することを目的とする。 \n材料・方法:高転移株としてマウス悪性黒色腫由来細胞B16/BL6を用いた。【in vitro】照射には、重粒子線として290 MeV/uで加速された炭素線を用い、異なるLET(13.3, 50.2, 75.9 keV/um)を有する3点で照射を行い、基準放射線としてX線を用いた。細胞の放射線感受性の評価にはコロニー形成法を用いて、細胞生存率曲線を求めた。細胞の遊走能及び浸潤能の評価には、Boyden chamber assay及びMatri-gel invasion assayを用い、それぞれ6時間後と24時間後における放射線による抑制効果を調べた。【in vivo】照射には、重粒子線として同様に炭素線を用い、臨床で用いる6cm SOBP(拡大ブラッグピーク)の中心部で照射を行った。基準放射線としてγ線を用いた。腫瘍の放射線感受性は、照射後の腫瘍増殖を測定し、Tumor growth delay(腫瘍増殖遅延)により評価した。転移に対する効果解析には、局所に移植した腫瘍から肺に作られた転移結節数を評価する自然肺転移実験モデルを用いた。さらに、腫瘍内生存細胞の転移能評価を行うため、照射した腫瘍内個々の細胞生存率をin vivo-in vitro assayにより算出した。 \n結果:【in vitro】 細胞生存率曲線から、B16/BL6に対し炭素線はX線よりも優れた殺細胞効果を示し、RBE0.1はLETが13.3, 50.2, 75.9 keV/umでそれぞれ1.1, 1.7, 2.5だった。遊走能及び浸潤能は、炭素線照射後実験に用いた全LET、線量域で有意な抑制効果が見られた。一方、X線照射後は、低線量域において有意な亢進が見られ、線量の増加に伴い抑制された。【in vivo】腫瘍増殖遅延の解析から、炭素線(6cm SOBPの中心)の強い増殖抑制効果が観察され、γ線に対するRBEは2.6であった。自然肺転移実験モデルによる照射後の肺転移数を調べた結果、炭素線照射後はγ線に比べより顕著に肺転移結節数が線量依存的に減少した。しかし、炭素線高線量域(40〜60 Gy)において、肺転移結節数の減少はsaturateした。さらに、この結節数変化とin vivo-in vitro assayにより求めた腫瘍内1細胞の生存率から、等効果線量(D10)での転移能を評価した結果、非照射に比べX線照射後転移数は7%減少したのに対し、炭素線照射後は22%の減少が見られた。 \n 図1.各end pointにおける 図2.炭素線及びγ線照射後の 相対的効果のLET依存性   肺転移結節数の変化 \n考察・結論:今回得られた結果から、炭素線などの高LET放射線はγ線やX線などの光子線に比べ有意に転移を抑制する可能性が示唆された(図2)。また、遊走能及び浸潤能の抑制効果から炭素線とX線を比較すると、細胞致死で比較するより顕著に炭素線の優れており、細胞致死のみでは説明できない炭素線の転移抑制効果が示唆された(図1)。しかしながら、高線量の炭素線照射後も照射前に既に局所から離れたがん細胞により転移が作られると考えられ(図2)、炭素線治療における転移の抑制には、既に血管内に入り込んだがん細胞の殺傷を目的とする他の治療法との併用療法が今後不可欠であると考える。, 第49回日本医学放射線学会生物部会学術大会&第40回放射線による制癌シンポジウム}, title = {マウス悪性黒色腫由来細胞の高転移能に対する重粒子線の効果解析}, year = {2010} }