@misc{oai:repo.qst.go.jp:00063954, author = {和田, 麻美 and 和田 麻美}, month = {Jul}, note = {目的:重粒子線によるがん治療のさらなる高度化のためには、重粒子線独自の最適な分割照射法を確立することが必要不可欠である。そのためには、がん細胞を最も効率よく殺傷すると同時に、正常細胞への損傷を最小限に抑える分割照射法についてその裏付けとなる生物学的基礎データを集積し、生ずる生物効果のメカニズムに立脚したモデルの構築や治療スケジュールの立案が要求される。 例えば、重粒子線に対して亜致死障害からの回復(SLDR)や潜在的致死障害からの回復(PLDR)がどの程度なのかなど、明らかにしなければならない生物学的課題が存在している。しかしながら、重粒子線治療の施設数は未だ極めて少なく、生物学的基礎実験データに立脚したスタンダードと成り得る分割照射法に関する知識は乏しいのが現状である。 先行して行われた、X線及び炭素線によるマウスの足掌部皮膚反応をエンドポイントとした感受性の実験結果を解析したところ、X線、及び炭素線2〜6回分割では、現在幅広く用いられているLQモデルで線量応答関係を再現出来た。しかし、炭素線による1回照射では、高LETになるほどLQモデルの予測よりも効果が低下する傾向が明らかとなった。このことから炭素線での1回照射と分割照射の間にはLETの関数として異なるメカニズムがあると考えられる。 以上のことから、本研究ではin-vitro において、X線及び炭素線を用いて正常細胞(NB1RGB:ヒト新生児皮膚線維芽細胞)の生存率をエンドポイントとして、1〜4分割での分割/非分割効果を調べた。炭素線照射が7月に計画されていることから、今回はX線照射の結果を中心に報告する。 \n材料・方法:NB1RGB細胞を用い、X線を線量0.6〜5.6Gyの範囲で変えて照射し、1回及び2〜4分割照射を行い細胞の生存率曲線を得た。ここでの細胞致死効果は、コロニー形成法による細胞の増殖死を指標とした。 線量dでの生存率SはLQモデルで表すと \n S = exp(-αd-βd2) \n両辺の負対数を取ったものをEと置きn回照射の全線量D=ndとすると、照射間での完全回復を仮定して \n E = nd(α+βd) = D(α+βd) \ny軸に1/D、x軸にdを取ると \n 1/D=α/E+β/E・d  ・・・ (1) \nとなり、縦軸に全線量の逆数、横軸に1回線量をとったFeプロット上で1次式で表すことが出来る。そこで、結果をFeプロットで図示することで、LQモデルの妥当性を調べた。 \n結果:X線による1回及び2〜4分割照射でのNB1RGB細胞の10%生存率は、1回照射で3.49Gy、2分割照射で2.28Gy、3分割照射で1.78Gy、4分割照射で約11.56Gyであった(Fig.1)。Feプロットで図示し縦軸と横軸に線形関係がみられるか確認したところ、マウスの足掌部皮膚反応スコア2をエンドポイントとしたγ線を用いたFeプロットで線形関係がみられたと同様に、本実験で用いたNB1RGB細胞でも、縦軸と横軸に線形関係がみられた(Fig.2)。 \n考察・結論:X線照射におけるマウスの皮膚反応をエンドポイントしたin-vivoでのFeプロットと正常細胞をエンドポイントとしたin-vitroでのFeプロットでは同様な線量応答性を確認できた。この系を用いて、in-vivoではLQモデルで再現出来なかった1回照射の応答特性をin-vitroで調べることで、炭素線分割照射の生物学的なメカニズムを明らかとし、最適ながん治療分割照射法の確立に資するための研究を進める。, 第49回日本医学放射線学会生物部会学術大会}, title = {放射線非分割/分割照射に対する生物効果}, year = {2010} }