@misc{oai:repo.qst.go.jp:00063710, author = {鈴木, 雅雄 and 鶴岡, 千鶴 and 劉, 翠華 and 小西, 輝昭 and 石川, 剛弘 and 磯, 浩之 and 及川, 将一 and 安田, 仲宏 and 今関, 等 and 鈴木 雅雄 and 鶴岡 千鶴 and 劉 翠華 and 小西 輝昭 and 石川 剛弘 and 磯 浩之 and 及川 将一 and 安田 仲宏 and 今関 等}, month = {Nov}, note = {【はじめに】がんの放射線治療や診断等の医学利用での被曝、宇宙空間環境における飛行体での被曝等で問題となる放射線環境では、様々な種類の放射線の低線量(率)・低フルエンス照射の生物影響が想定され、直接照射効果のみならずバイスタンダー効果をも含めた細胞集団全体の生物影響を明らかにすることが放射線リスク評価には必要不可欠となる。これまでの研究から、線質の異なる放射線を低線量率/低フルエンス照射した細胞集団に現れる細胞応答のうち、ヘリウムイオン、炭素イオンを8時間掛けて1mGy相当のイオン数を前照射し引き続きX線を急性照射した時のX線誘発突然変異は増強された(遺伝的不安定性の誘導)のに対して、241Am-Be線源より放出される中性子線を1mGy/8時間の低線量率で前処理しX線を急性照射した時の突然変異は抑制された(適応応答の誘導)実験結果を得た。同様の実験を鉄イオンを用いて行ったところ、X線誘発突然変異は対照群と有意な差が観察されなかった。以上の結果から、急性照射では重イオン、特に鉄イオンの生物効果は高く、同様に中性子線の生物効果も高いのになぜ低線量率/低フルエンス照射後の細胞応答が異なるのか?疑問が沸く。この疑問を解くために、以下のような仮説を立てて実験を進めている。 仮説:241Am-Beより放出される中性子のエネルギーが主に高速中性子であることから、細胞またはその周囲の水素原子核との弾性散乱の結果生ずる反跳陽子によってエネルギー付与された細胞がバイスタンダー応答に寄与し、細胞集団として適応応答を誘導する。  本年は、上記仮説を証明するために行ったプロトンを低フルエンスで前照射された細胞集団に観察された適応応答の実験結果を報告する。 【実験方法】細胞は、ヒト正常細胞として胎児皮膚由来正常線維芽細胞を用いた。細胞レベルの生物効果として、突然変異誘発はX染色体上にマップされるhprt遺伝子座を突然変異の標的として、6チオグアニン耐性コロニーの出現頻度より突然変異誘発頻度を算出した。プロトンマイクロビームの照射は、ビームサイズを10µm x 10µmに絞ったマイクロビームで細胞照射用ディッシュ面に75x75=5625点に格子状に設定した照射点に対して1個のプロトンを照射した。その後引き続き200kV X線を急性照射して、低フルエンスプロトン照射有無による細胞応答の違いを調べた。さらにバイスタンダー効果誘導メカニズムを探る目的で、コンフルエント状態で隣細胞同士の接触による増殖阻止能が働く正常細胞の特性に注目し、ギャップジャンクションの特異的阻害剤を併用して、細胞間情報伝達機構のバイスタンダー効果への関与を調べた。 【得られた結果および考察】プロトンマイクロビームを細胞集団のごく一部に前照射しその後X線を急性照射した場合、プロトンを前照射しない対照群に対して、X線誘発突然変異は有意に抑制された。また、ギャップジャンクション特異的阻害剤を併用した場合は、抑制された突然変異誘発頻度が対照群と同レベルまで回復した。以上の結果から、(1)中性子線で誘導された適応応答は、中性子と物質の相互作用の結果生じるプロトンを照射された細胞が原因となって生じたこと、(2)その適応応答は、電磁波放射線の場合と異なり、プロトンを受けた細胞が何らかの応答をした結果ギャップジャンクションを介した細胞間情報伝達機構に由来するバイスタンダー効果によって細胞集団全体を適応応答に導いたこと、が示唆される。, 第3回共用施設(PASTA&SPICE)共同研究成果報告会}, title = {プロトン照射で誘導されるヒト正常細胞の突然変異に対する適応応答}, year = {2009} }