@misc{oai:repo.qst.go.jp:00063249, author = {廣部, 知久 and 廣部 知久}, month = {Sep}, note = {動物にとって皮膚は体を覆い、内部を保護する器官として重要である。また、皮膚はその色により個体の行動学的特性を決め、個体の生存を支えている。この動物の皮膚色や毛色を決めているのはメラニン(黒色メラニンと黄色メラニン)という色素であり、この物質の量や性質の違いにより皮膚色や毛色が決められる。メラニンはメラノサイトという細胞において産生され、メラニンをメラノソームと呼ばれる細胞小器官にためて、皮膚の主たる細胞であるケラチノサイトに輸送し、その量や性質により皮膚色や毛色を決めている。このメラノサイトは神経冠に由来し、神経冠細胞は胚発生の胎生期に背側から腹側に移動し、真皮を通り表皮に達する。真皮、表皮において神経冠細胞はメラノサイトの前駆細胞であるメラノブラストに分化し、増殖し、やがて出生前にメラノサイトに分化し始める。メラノサイトの増殖と分化を制御することによって動物の皮膚色や毛色が決められる。マウスを始めとして、動物の毛色に関しては、多くの突然変異が知られていて、毛色遺伝子が毛色発現に重要な働きをしていることが示唆されてきた。演者等の研究により、これらの遺伝子はメラノブラストやメラノサイトの増殖・分化を制御したり、メラニン産生を制御したり、黒色メラニン、黄色メラニンの産生を転換させたり、メラノソームの形成・成熟を制御したりしていることがわかってきた。また、ケラチノサイトから放出されるエンドセリン、スティール因子、肝細胞増殖因子、白血病阻害因子、顆粒球マクロファージコロニー形成促進因子等の増殖因子・生理活性物質はメラノブラストやメラノサイトの増殖・分化を促進し、ケラチノサイト (ヒトの場合)や脳下垂体中葉等から放出されるメラノサイト刺激ホルモンはメラノサイトの分化を制御していることも演者等の研究によりわかってきた。これらの増殖因子や生理活性物質、ホルモン等の発現を制御している遺伝子が重要なことから、それらの発現制御機構やそれらのタンパク質産生制御、活性制御等の機構を詳しく明らかにすることにより、メラサイトの増殖・分化の制御機構、さらには皮膚色・毛色発現の制御機構が詳しく明らかになると期待される。, 日本動物学会第80回大会}, title = {哺乳類の皮膚色や毛色は毛色遺伝子や色素関連遺伝子によってどのように制御されているのか}, year = {2009} }