@misc{oai:repo.qst.go.jp:00062920, author = {松本, 謙一郎 and 中西, 郁夫 and 安西, 和紀 and Kenichiro, Matsumoto and Ikuo, Nakanishi and Kazunori, Anzai}, month = {Dec}, note = {【目的】放医研で重粒子線癌治療が開始されてから既に10年以上が経過し、登録患者数も4000人を超えた。これまでに多くの治療実績が上げられ、重粒子治療装置の全国への普及が計画され始めている。既に普及用小型装置の建設も進められており、今後はより質の高い治療技術が要求されることになっていくものと思われる。本研究では、LETに依存するフリーラジカル生成の量とその分布を解析する目的から、高LET放射線(炭素イオンビーム)照射によりゼラチン試料内で発生する過酸化水素の分布の視覚化を試みた。 【方法】少量の常磁性酸素プローブ(LiPc-BuOの粉末)を入れたマイクロチューブに、mili-Q水またはPBSを満たし、中に気泡が残らないように蓋をして密封した。これにX線(Eeff = 80 keV)を0−256 Gy照射した後、常磁性プローブのEPRスペクトルの線幅の変化をL-band EPRで測定し、試料中の酸素消費量を求めた。同時に試料中のH2O2濃度を測定した。続いてTEMPOLの水溶液にX線を0−256 Gy照射し、TEMPOLのEPRシグナル強度の変化を観察した。湯に20%の蔗糖と14%のゼラチンを溶かし、2 mMのTEMPOLを加え、これをプラスチック容器に入れて室温で固めた。ゼラチン試料表面におけるLETを指定して、290 MeVの炭素線を0−256 Gy照射し、炭素線照射後のTEMPOLのEPRシグナルの消失量とLETとの関係を調べた。またプラスチック容器の試料表面と接する壁に予めLiPc-BuOを塗布しておき、炭素線照射によるゼラチン試料表面での酸素消費量を調べた。 【結果と考察】水への256 GyのX線照射により、酸素濃度が約30 mmHg程度低下し、同時に約60 μmol/L程度の過酸化水素が生成することを確認した。TEMPOLの水溶液にX線を照射すると、線量に依存するTEMPOLの還元が観察された。乾燥したTEMPOLの結晶にX線を照射した場合にはTEMPOLの還元は観察されなかった。TEMPOL水溶液に予めカタラーゼを加えて照射した場合には、カタラーゼを加えない場合に比べてTEMPOLのEPRシグナルの減衰量が少なかった。このため、水中で生成した過酸化水素がTEMPOLの還元に関っている可能性が示唆された。炭素線を照射したゼラチン試料内でのTEMPOLの消失量の水換算深度に対する分布のプロファイルは、酸素少量の分布プロファイルに良く一致しており、これは同時に過酸化水素生成の分布を反映していることが示唆された。, 第23回日本酸化ストレス学会関東支部会}, title = {重粒子(炭素)線の照射でゼラチン試料内に生じる過酸化水素の分布}, year = {2008} }